
年収130万円でiDeCo(イデコ)に入るとどうなるんだろ...。
こんな疑問を感じていませんか。
「将来が不安なので今から貯金をしたい」「せっかくならお金を増やせる投資がいいけど株やFXは怖い」こんな悩みをかかえている人は珍しくありません。
イデコはパート主婦も加入できます。
いまいちパート主婦がイデコに入るメリットってわかりにくいです。
今回は税理士事務所15年以上の経験を活かして、パート主婦のイデコ(iDeCo)のメリットについてご紹介します。
結論から言うと税金対策になる、貯金が苦手でも貯金できるなどのメリットがあります。
年収130万円だとどのくらいの税金対策になるか、将来の受取金額の予想などもわかる内容になっています。
パート主婦がiDeCo(イデコ)に加入する3つのメリット
パート主婦がイデコに加入するメリットは主に以下の3つです。
メリット
・税金が減る
・保育料に影響する
・老後の資金を自分で確保できる
iDeCo(イデコ)のメリット①:税金が減る

イデコは税制優遇が3つあり、その1つは「掛金が全額所得控除」になることです。

「生命保険料を支払うと税金が減る」と聞いたことがないでしょうか。
イデコも生命保険料と同じように、税金が減ります。
また年収130万円の場合、イデコに加入すると税金の支払いがなくなる可能性があります。
iDeCo(イデコ)のメリット②:保育料に影響する
イデコに加入すると、保育料が下がることもあります。
それは所得の階層毎に保育料が設定されてあり、保育料の階層を求めるには住民税の所得割額が基になっているからです。

iDeCo(イデコ)のメリット③:老後の資金を自分で確保できる
イデコは原則60歳まで引き出しができないので、貯金が苦手な人は老後の資金を確保しやすいです。
またイデコの商品は定期預金や保険、投資信託があって、運用して得た利益に対して税金が発生しません。
これがイデコの税制優遇の2つ目です。

パート主婦がiDeCO(イデコ)に加入する3つのデメリット
イデコは税制優遇がありメリットが多い印象ですが、デメリットもあります。
デメリットで抵抗を感じる場合は、無理にイデコに加入するのをおすすめしません。
イデコのデメリットは主に3つです。
デメリット
・103万円を超えないと所得税に影響はない
・原則60歳まで引き出しできない
・掛金は必ず増えるわけではない
iDeCo(イデコ)のデメリット①:103万円を超えないと所得税に影響はない
年収が103万円を超えていないと、イデコに加入しても所得税は減りません。
イデコで税金が減るのは、所得が発生している場合です。
しかし年収103万円の場合、所得が0なので所得税が発生していません。
イデコの税制優遇1つ目の「掛金が全額所得控除」ですが、このメリットは所得が発生していなかったらメリットに感じません。
iDeCo(イデコ)のデメリット②:原則60歳まで引き出しできない
イデコは原則60歳まで引き出しができません。
そのため急な資金が必要になっても、イデコを解約することは難しいでしょう。
イデコの掛金は余剰資金や老後の資金がおすすめです。

iDeCo(イデコ)のデメリット③:掛金は必ず増えるわけではない
イデコの掛金は預金や保険、投資信託の3種類の商品を選んで運用します。

商品によって元本保証型と元本変動型があるので、両方の特徴を理解して選択しましょう。
メリット | デメリット | |
元本保証型 |
・満期時の元本と利息が確保される ・掛金が全額所得控除 |
・金利が低いので手数料を引かれると元本割れになる(手数料の金額が重要) ・運用益が非課税になる税制優遇を受けられない |
元本変動型 |
・資産が増えた時の運用益が非課税 ・掛金が全額所得控除 |
・元本が保証されていない |

年収130万円のパート主婦がイデコに加入した場合のシミュレーション
イデコの税制優遇は「支出時に掛金が所得控除」「運用時に運用益が非課税」「受取時に一定額まで非課税」の3つです。
この3つの税制優遇をフル活用した場合のシミュレーションをします。
計算を簡素化するために雇用保険は計算していません。
年齢 | 30歳 |
年収 | 130万円 |
配偶者 | 有り(共働き) |
こども | 1人 |
社会保険 | なし |
退職金制度 | なし |
毎年の所得税と住民税

税制優遇の1つ目「支出時に掛金が所得控除」です。掛金によって、節税金額に違いがあります。
単位:円
イデコなし | 年間60,000円 | 年間144,000円 | 年間276,000円 | |
所得税 | 13,700 | 10,700 | 6,400 | 0 |
住民税 | 37,000 | 31,000 | 22,600 | 9,400 |
合計 | 50,700 | 41,700 | 29,000 | 9,400 |
節税金額 | ー | 9,000 | 21,700 | 41,300 |
60歳までの節税金額

この表は60歳まで、所得控除を受けた場合の節税金額の合計です。
単位:円
イデコに加入した年齢 | 年間60,000円 | 年間144,000円 | 年間276,000円 |
20歳 | 360,000 | 868,000 | 1,652,000 |
25歳 | 315,000 | 759,500 | 1,445,500 |
30歳 | 270,000 | 651,000 | 1,239,000 |
35歳 | 225,000 | 542,500 | 1,032,500 |
40歳 | 180,000 | 434,000 | 826,000 |
45歳 | 135,000 | 325,500 | 619,500 |
50歳 | 90,000 | 217,000 | 413,000 |
60歳になった時の節税金額と運用益

税制優遇の2つ目「運用時に運用益が非課税」です。30歳のパート主婦なので、運用期間は60歳までの30年間です。

単位:円
イデコの掛金が年間60,000円(月5,000円)の場合 | |||
運用利率 | 1% | 3% | 5% |
30年間の掛金総額 | 1,800,000 | ||
期待運用益 | 287,100 | 1,054,500 | 2,186,340 |
節税金額 | 270,000 | ||
合計 | 2,360,100 | 3,127,500 | 4,259,340 |
イデコをしていない場合との差額(期待運用益+節税金額) | 557,100 | 1,324,500 | 2,456,340 |

単位:円
イデコの掛金が年間144,000円(月12,000円)の場合 | |||
運用利率 | 1% | 3% | 5% |
30年間の掛金総額 | 4,320,000 | ||
期待運用益 | 689,040 | 2,530,800 | 5,247,216 |
節税金額 | 651,000 | ||
合計 | 5,663,040 | 7,504,800 | 10,221,216 |
イデコをしていない場合との差額(期待運用益+節税金額) | 1,340,040 | 3,181,800 | 5,898,216 |

単位:円
イデコの掛金が年間276,000円(月23,000円)の場合 | |||
運用利率 | 1% | 3% | 5% |
30年間の掛金総額 | 8,280,000 | ||
期待運用益 | 1,320,660 | 4,850,700 | 10,057,164 |
節税金額 | 1,239,000 | ||
合計 | 10,851,660 | 14,381,700 | 19,558,164 |
イデコをしていない場合との差額(期待運用益+節税金額) | 2,559,660 | 6,089,700 | 11,296,164 |
60歳で受け取った場合の税金

税制優遇の3つ目「受取時に一定額まで非課税」です。受け取った時の税金で元本割れしたら意味がないですからね。
イデコの受取は一括で受け取る方法と、年金で受け取る方法があります。
今回は一括で受け取る方法でシミュレーションしてみます。
単位:円
掛金 | 利率 | 掛金+運用益 | 税金 | 手取り金額 |
年間60,000円 (月5,000円) |
1% | 2,087,100 | 0 | 2,087,100 |
3% | 2,854,500 | 0 | 2,854,500 | |
5% | 3,986,340 | 0 | 3,986,340 | |
年間144,000円 (月12,000円) |
1% | 5,009,040 | 0 | 5,009,040 |
3% | 6,850,800 | 0 | 6,850,800 | |
5% | 9,567,216 | 0 | 9,567,216 | |
年間276,000円 (月23,000円) |
1% | 9,600,660 | 0 | 9,600,660 |
3% | 13,130,700 | 0 | 13,130,700 | |
5% | 18,137,164 | 236,746 | 17,900,418 |
30年間積み立てて一括で受け取った場合は、1,500万円まで税金がかかりません。
他に退職金がある場合は税金の金額が違うので注意してください。
パート主婦のiDeCo(イデコ)のまとめ
扶養の範囲内で働いているパート主婦の方も、イデコに加入することで税金減らすことができます。
年収130万円であれば最大年間4万円超の税金が少なくなります。
4万円あれば、旅行・豪華なディナー・自分へのご褒美などが可能です。
イデコは原則60歳まで引き出しができないので、掛金は余剰資金をおすすめします。
イデコはさまざまな銀行、証券会社で加入できます。
それぞれ特徴があるので自分にあった会社を選びましょう。
イデコはパート主婦の税金対策になりますが、税金対策はイデコだけではありません。
イデコ以外の税金対策については、こちらの記事でわかります。
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