食器棚は、キッチンのどこに置けば使いやすいのでしょうか。また、中の食器はどのように並べれば、出し入れしやすくなるのでしょうか。
食器棚の使いやすさを考えるときは、まず「食器棚をどこに置くか」を決め、そのあとに「中をどう並べるか」を考えると整理しやすくなります。
先にポイントをまとめると、食器棚はシンクや食洗機の近くに置き、振り向くだけで食器をしまえる配置にすると使いやすくなります。
食器棚の中は、次のように分けるのが基本です。
- 毎日使う食器:腰から目の高さ
- 重い食器:下の段
- たまに使う軽い食器:上の段
最初から完璧に決める必要はありません。実際に使いながら、取り出しにくい食器の場所を変えていきましょう。
すでに食器棚の位置を変えられない方は、「食器棚の中の使いやすい配置は、使う回数と重さで決める」から読んでください。
食器棚の使いやすい配置でよくある質問
子ども用の食器は、どの段に置けばいいですか?
子どもが自分で使う割れにくい食器は、手が届く低い段や引き出しにまとめると使いやすくなります。
自分で食器を出し、食べ終わったあとに戻しやすくなるためです。
一方、割れやすい食器や重い食器は、子どもが簡単に取れない場所に置きます。
子どもの身長やできることは少しずつ変わるため、成長に合わせて置く段も見直しましょう。
電子レンジや炊飯器は食器棚のどこに置けばいいですか?
電子レンジや炊飯器は、家電を置くためにつくられた棚やスペースに置くのが基本です。
電子レンジは使用中に熱が出るため、本体のまわりに空間が必要です。必要なすき間は機種によって違うため、必ず取扱説明書を確認してください。
また、食器棚の材質によっては、電子レンジを置くのに向かない場合があります。食器棚側の注意事項も確認しておきましょう。
炊飯器は、ご飯を炊くときに蒸気が出ます。棚の上との間に十分な空間がある場所に置くか、蒸気を逃がせる場所を選びます。
スライド式の棚に置く場合は、棚が炊飯器の重さに耐えられるかも確認してください。
地震で食器が飛び出さないようにするには、どうすればいいですか?
食器棚は、地震で倒れたり、食器が飛び出したりすることがあります。
まずは、食器棚の本体を金具などで壁や柱に固定します。扉には、揺れたときに開きにくくする器具を取り付ける方法もあります。ガラス扉には飛散防止フィルムを貼ると、割れたときの危険を減らせます。
食器棚の中は、重いものを下に置き、軽いものを上に置くのが基本です。
キッチンに取り付けるタイプのカップボードは、どのように固定されているか住宅会社や施工会社に確認しておくと安心です。
ただし、対策をしても地震による被害を完全に防げるわけではありません。
参考:総務省消防庁「5.食器棚の転倒防止」
参考:内閣府「やってみよう!防災対策 第2回」
使いやすい食器棚の配置はキッチンの真後ろを基本に考える
これから食器棚の位置を決める方は、次の順番で確認してみましょう。
- キッチンの真後ろに置けるか
- 真後ろに置けない場合は、どこなら動きやすいか
- 冷蔵庫の扉とぶつからないか
- キッチンとの通路幅は足りるか
順番に確認すると、置き場所を決めやすくなります。
シンクや食洗機の真後ろに置くと振り向くだけで片付けられる
食器棚は、シンクや食洗機の真後ろに置くと使いやすくなります。
洗い終わった食器を、振り向くだけで食器棚に戻せるからです。
料理を盛り付けるときも、食器棚から皿を取り出し、すぐに調理台へ置けます。キッチンの中を何度も歩く必要がありません。
わが家は、食器棚はキッチンの真後ろに配置しました。
毎日の片付けや配膳を考えると、まずは「シンクや食洗機の後ろに置けるか」を確認するのがおすすめです。
真後ろに置けないときは片付けも配膳もしやすい場所を選ぶ
キッチンの形によっては、食器棚を真後ろに置けないこともあります。
その場合は、
- シンクや食洗機から近い
- 食卓へ食器を運びやすい
この2つを満たす場所を探します。
たとえば、キッチンの横や、キッチンと食卓の間です。
シンクから遠いと、洗った食器を戻すたびに歩く必要があります。反対に食卓から遠すぎると、配膳や片付けに手間がかかります。
図面を見るときは、「洗った食器をしまう動き」と「食器を食卓へ運ぶ動き」の両方を想像してみましょう。
冷蔵庫の横に置くなら扉どうしがぶつからないか確かめる
冷蔵庫と食器棚を並べる配置もあります。
食材と食器を近い場所から取れるため、料理中の移動を減らせるのがメリットです。
ただし、冷蔵庫の扉と食器棚の扉・引き出しがぶつからないか確認しておく必要があります。
図面では、次の点を確認しましょう。
- 冷蔵庫の扉がどちらに開くか
- 食器棚の扉や引き出しがどちらに開くか
- 両方を開けたときに人が立てるか
冷蔵庫のまわりには、設置に必要なすき間もあります。
購入する冷蔵庫が決まっている場合は、取扱説明書で必要なスペースを確認してから、食器棚の位置や幅を決めてください。
パントリーに冷蔵庫については、以下の記事もご確認ください。
キッチンとの間の通路幅は図面とショールームで引き出しを開けて確かめる
食器棚とキッチンの間には、人が動くための通路が必要です。
一般的には、1人でキッチンを使うなら90cm前後、2人以上で使うことが多いなら120cm前後が目安とされています。
ただし、必要な幅はキッチンの使い方や設備によって変わります。
特に確認したいのが、
- キッチンの引き出し
- 食器棚の引き出し
- 食洗機の扉
です。
通路が広く見えても、引き出しや食洗機を開くと、人が立つ場所がほとんど残らないことがあります。
図面を見るときは、扉を閉めた状態だけでなく、「開けた状態」を考えてください。
ショールームへ行ける場合は、実際に引き出しや食洗機を開け、その前に立ってみると分かりやすくなります。
通路が狭い場合は、奥行きの浅い食器棚や、扉が手前に大きく出ない引き戸タイプも選択肢になります。
奥行きの浅い食器棚や引き戸の食器棚については、以下の記事もご確認ください。
食器棚の中の使いやすい配置は使う回数と重さで決める
ここからは、食器棚の中を使いやすくする方法です。
すでに住んでいて食器棚を動かせない方も、今日から見直せます。
「食器を分ける→置く高さを決める→細かい位置を調整する」の順で進めてみましょう。
まず毎日使う食器とそれ以外に分ける
最初に、食器を次のように分けます。
- 毎日使う
- ときどき使う
- たまにしか使わない
毎日使う茶碗や皿と、年に数回しか使わない来客用の食器では、使いやすい場所が違うからです。
このとき、大皿や土鍋などの「重いもの」も分けておきましょう。
食器を分けたら、次に置く高さを決めます。
毎日使う食器は腰から目の高さの段に置く
毎日使う食器は、腰から目の高さに置きます。
このあたりは、かがんだり背伸びしたりせずに手を伸ばしやすい場所です。
たとえば、
- 茶碗
- 汁椀
- 取り皿
- コップ
など、毎日の食事でよく使うものを置きます。
使いやすい高さは、使う人の身長によって変わります。
食器棚の前に立ち、自然に手を伸ばして届く場所を確認してみてください。
重い食器は下の段たまに使う軽い食器は上の段に置く
大皿や重い食器は、低い場所に置きます。
重いものを高い場所から下ろすと、腕や肩に負担がかかります。落とした場合も危険です。
反対に、
- 季節に合わせて使う食器
- 来客用の食器
- 年に数回しか使わない軽い食器
などは、上の段に置きます。
つまり、「よく使うものは手が届きやすい場所」「重いものは下」「軽くて使用回数が少ないものは上」と考えると、置き場所を決めやすくなります。
食器棚の上の空いたスペースの使い方は、以下の記事もご確認ください。
参考:総務省消防庁「5.食器棚の転倒防止」
同じ段では、種類ごとにまとめて、よく使うものを手前に置く
置く段が決まったら、同じ種類の食器を近くにまとめます。
たとえば、
- お皿
- お椀
- グラス
のように分けます。
種類ごとに置くと、どこに何があるのか分かりやすくなり、使ったあとも戻す場所に迷いません。
奥行きがある棚では、よく使うものを手前に置きます。使用回数の少ないものは奥にすると、毎日の食器を取り出しやすくなります。
しばらく使ってみて出し入れしにくい食器の場所を入れ替える
一度並べたら、しばらくその状態で使ってみましょう。
実際に生活すると、「この皿はもっと手前のほうがいい」「このコップは一段下のほうが取りやすい」といったことが分かります。
使いにくいと感じたものだけ、少しずつ場所を変えていけば十分です。
家族の人数や子どもの成長、持っている食器の数によっても、使いやすい配置は変わります。
最初から完成させるのではなく、使いながら直していくほうが、自分の家に合った食器棚になります。
食器棚をもっと使いやすくする収納のポイント
食器を置く高さと場所が決まったら、次は「取り出しにくさ」を減らします。
今ある食器棚でもできる方法から試してみましょう。
詰め込みすぎず、手を入れるすき間を残す
食器棚いっぱいに食器を入れると、奥のものを取るたびに手前の食器を動かす必要があります。
戻すときも時間がかかります。
食器の前や上に、手を入れられるくらいの余裕を残しておきましょう。
食器が入りきらない場合は、収納用品を増やす前に、使っていない食器がないか確認するのがおすすめです。
重ねすぎる食器は、ラックやお皿立てで分ける
お皿を何枚も重ねると、一番下のお皿を使うたびに上のお皿を持ち上げなければなりません。
よく使うお皿が取りにくい場合は、
- コの字型のラックで上下に分ける
- お皿立てを使って縦に収納する
といった方法があります。
ただし、ラックを使って段を増やしても、重い食器を高い位置に置くのは避けましょう。
収納用品を使う目的は「たくさん入れること」ではなく、「取り出しやすくすること」です。
引き出しは仕切りを使い食器の置き場所を決める
引き出しに食器を入れる場合は、仕切りやトレーを使うと整理しやすくなります。
引き出しは開け閉めするたびに中のものが動くため、何も区切らないと食器の位置が変わりやすいからです。
置く場所が決まっていると、使ったあとも元の場所へ戻しやすくなります。
使っていない食器は食器棚の外へ移す
食器棚が使いにくい原因が「食器の多さ」にある場合もあります。
何年も使っていない食器が毎日使う食器と同じ場所にあると、必要なものを置くスペースが少なくなります。
長く使っていない食器は、
- 別の収納場所へ移す
- 手放す
ことも考えてみましょう。
来客用や季節用など、使う予定がある食器は無理に手放す必要はありません。使用回数が少ないものとして、上の段などにまとめておけば十分です。
まとめ
食器棚を使いやすくするには、「置き場所」と「中の並べ方」を分けて考えることが大切です。
これから食器棚を置く方は、まず次の順に確認してみてください。
- シンクや食洗機の真後ろに置けるか
- 冷蔵庫の扉とぶつからないか
- 引き出しや食洗機を開けても通路を使えるか
図面だけで判断せず、できればショールームで実際の動きも確認しましょう。
すでに食器棚を使っている方は、まず食器を「毎日使うもの」と「それ以外」に分けます。
そのうえで、毎日使う食器を腰から目の高さへ移し、重いものは下、使用回数の少ない軽いものは上に置いてみてください。
一度ですべてを変える必要はありません。
毎日の生活で「取りにくい」「戻しにくい」と感じた場所から少しずつ直していくことが、使いやすい食器棚をつくる近道です。



