ダイニングでホットプレートを使いたい。ソファでパソコンを充電したい。このようなときに便利なのが、床コンセント(フロアコンセント)です。
一方で、「つまずきそう」「掃除しにくそう」「付けても使わなくなるのでは」と気になり、付けるか迷っている方もいるでしょう。
床コンセントの主なデメリットは、次の5つです。
- 家具の配置を変えると、使いにくい場所に残る
- 使用中は、差込口やコードにつまずきやすい
- ほこりや飲みこぼしが入りやすく、掃除に気を使う
- 製品によっては、大きなプラグやACアダプタが使えない
- 壁のコンセントより費用がかかり、あとから位置を変えにくい
床コンセントが向いているのは、家具の位置がほぼ決まっていて、壁から離れた場所で使う家電が決まっている家です。
反対に、家具をよく動かす場合や、近くの壁にコンセントを付ければ足りる場合は、無理に付ける必要はありません。
この記事では、5つのデメリットを確認したうえで、床コンセントが必要かどうかの判断方法、付ける場合の位置と種類、付けない場合の代わりの方法まで順に説明します。
床コンセントのよくある質問
床コンセントは、あとから付けられますか?
木の床で、床下にケーブルを通せる場合は、リフォームで後付けできることがあります。
工事では床に穴を開け、床下からケーブルを通してコンセントを取り付けます。電気配線を扱うため、工事には電気工事士の資格が必要です。
後付けを考えている場合は、まず次の3点を工事会社に確認してください。
- 床の種類
- 床下にケーブルを通せるか
- 床暖房の配管やパネルがないか
床の状態によって工事できるかが変わるため、製品を選ぶ前に施工できる場所を確認しておくとスムーズです。
床暖房のある床にも床コンセントは付けられますか?
床暖房があっても、取り付けられる製品はあります。
ただし、どこにでも付けられるわけではありません。
たとえばパナソニックは、床暖房の熱源から十分に離して施工するよう指定しており、目安は50mm以上です。そのため、床暖房のパネルや配管の位置によっては、希望する場所に床コンセントを付けられないことがあります。
注文住宅で床暖房を採用する場合は、床暖房の範囲を決めるときに、床コンセントを付けたい位置も住宅会社へ伝えておきましょう。
参考:Panasonic「床用コンセント:F型アップコン(住宅用)」
小さな子どもがいる家に付けても大丈夫ですか?
小さな子どもがいる家でも設置できますが、製品と場所をよく選ぶ必要があります。
付ける場合は、差込口に安全扉が付いた製品を確認してください。
安全扉付きのコンセントは、プラグの刃を2本同時に差し込まないと扉が開かない仕組みです。異物を片方の穴だけに差し込みにくくなっています。
ただし、床コンセントは壁のコンセントより低く、子どもの手が届きやすい場所です。
子どもが遊ぶ場所やよく通る場所を避け、使わないときは差込口を収納したり、ふたを閉じたりしておきましょう。
床コンセントの5つのデメリット
床コンセントは便利ですが、付ける場所によっては使いにくくなります。
ここでは、設置前に知っておきたい5つのデメリットを確認します。
家具の配置を変えると使いにくい場所に残る
床コンセントは、一度付けると簡単には動かせません。
そのため、テーブルやソファの位置を変えると、床コンセントだけが通り道に残ることがあります。
たとえば、ダイニングテーブルの下に合わせて付けた場合でも、数年後にテーブルの向きを変えると、コンセントが椅子の近くや通路に出てくる可能性があります。
ラグやカーペットを敷いたことで、コンセントが隠れて使えなくなることもあります。
特に注意したいのは、次のような家です。
- 模様替えをよくする
- 子どもの成長に合わせて家具を変える予定がある
- 将来、テーブルやソファを買い替える可能性が高い
床コンセントを付けるなら、現在の家具だけでなく、数年後も同じ位置で使うかを考えてから決めましょう。
使用中は差込口やコードにつまずきやすい
床コンセントは、使っていないときは目立ちにくくても、使用中に邪魔になることがあります。
ポップアップ型の場合は、使用すると差込口が床から立ち上がります。たとえばパナソニック製品では、約4cmの高さです。
さらに、コンセントから家電までコードが伸びるため、通り道に近い場所では足を引っかける可能性があります。
次のような場所には設置しないよう注意しましょう。
- 人がよく通る場所
- 頻繁に踏まれる場所
- 足で蹴る可能性がある場所
床コンセントを便利に使うには、「使いたい場所」だけでなく「人が歩く場所」も考えることが大切です。
ダイニングなら、椅子を引く範囲やテーブルの周りを人が歩く場所まで確認して位置を決めましょう。
ほこりや飲みこぼしが入りやすく掃除に気を使う
床コンセントは床にあるため、壁のコンセントよりも、ほこりや髪の毛、食べこぼしなどが集まりやすい場所にあります。
ダイニングでは、飲み物をこぼすことも考えられます。
差込口にほこりや水分が付いた状態が続くと、トラッキング現象につながることがあります。
トラッキング現象とは、コンセント付近のほこりや水分によって電気が流れ、発熱や発火につながる現象です。
床コンセントだから特別に火事になりやすいわけではありません。
ただし、
- ダイニングで使う
- ペットがいる
- 床を頻繁に水拭きする
といった家では、周辺をこまめに確認しやすい位置にしておくとよいでしょう。
ほこりが気になる冷蔵庫マットの後悔については、以下の記事もご確認ください。
大きなプラグやACアダプタが使えない製品がある
床コンセントには、大きく分けると、差込口が床から出るタイプと、本体の中にプラグを収納するタイプがあります。
収納型は、プラグを入れるスペースが限られています。
そのため、製品によっては、大きなプラグやACアダプタを使えません。
たとえば、床コンセントをパソコンの充電用として考えていても、使っている充電器の形によっては差せない場合があります。
「パソコン用に付けたい」「ホットプレート用に付けたい」と考えている場合は、先に使う家電を決め、そのプラグが対応しているかを確認しましょう。
セカンド冷凍庫のコンセントについては、以下の記事もご確認ください。
壁のコンセントより費用がかかり、あとから位置を変えにくい
床コンセントは、一般的な壁コンセントより器具の価格が高めです。
さらに、床への穴あけや床下への配線も必要になります。
パナソニックの希望小売価格(税抜)では、壁に付ける埋込ダブルコンセントは本体420円、プレート260円です。
一方、床用のポップアップ型2口タイプは、色によって8,700〜10,350円です。
これは器具だけの価格で、実際には別に工事費もかかります。
また、取り付けたあとに位置を変えようとすると、床の補修や再配線が必要になる場合があります。
そのため、「念のため付けておく」よりも、「ここで、この家電を使う」と決まっている場所に付けるほうが向いています。
参考:Panasonic「ダブルコンセント(コスモシリーズワイド21)」
床コンセントが必要かは使う場所と家電で判断する
床コンセントを付けるか迷ったら、「あれば便利そう」ではなく、実際に何をどこで使うのかを考えてみてください。
床コンセントの大きなメリットは、壁から離れた場所でも、長い延長コードを使わずに電源を取れることです。
たとえば、次のような使い方があります。
- ダイニングテーブルでホットプレートを使う
- ソファ付近でパソコンを使う
- 部屋の中央で扇風機や空気清浄機を使う
床コンセントが必要か迷ったら、次の4つを確認してみてください。
- 壁から離れた場所で使いたい家電が決まっている
- テーブルやソファの位置を長く変えない予定である
- 近くの壁からコードを引くと、人の通り道を横切ってしまう
- 床コンセントを付ける場所に、ラグやカーペットを敷く予定がない
4つのうち、多く当てはまるなら床コンセントを検討する価値があります。
反対に、「何に使うかまだ決まっていない」「家具の位置を変えるかもしれない」という場合は、急いで付ける必要はありません。
まず、家具の配置図にテーブルやソファを書き込み、近くの壁にコンセントを増やすだけで足りないか確認してみましょう。
わが家は、床コンセントはありません。
これまで必要だと感じたことはありませんが、これはわが家の場合です。
部屋の広さや家具の配置、使う家電によって必要性は変わります。「床コンセントがある家のほうが便利」と考えるのではなく、自分の暮らしで使う場面があるかを基準に決めることが大切です。
床コンセントを付けるなら位置と種類で後悔を防ぐ
床コンセントを付けると決めたら、次に考えるのは「どこに付けるか」と「どの種類を選ぶか」です。
特に位置は、取り付けたあとに簡単には変えられません。
家具の図面と実際に使う家電を確認しながら決めましょう。
テーブルの中央の下など、足や椅子が当たらない位置にする
ダイニングで使う場合は、テーブルの中央付近など、足や椅子が当たりにくい位置を検討します。
ただし、「テーブルの下ならどこでもよい」わけではありません。
テーブルの端に近すぎると、座った人の足が当たったり、椅子を引いたときにコードを踏んだりすることがあります。
位置は、次の順番で決めるとわかりやすくなります。
- 家具の配置図に、テーブルやソファの大きさを書く
- 床コンセントを付けたい位置を書く
- コンセントから家電まで、コードがどこを通るかを書く
- 足、椅子、人の通り道にコードが重ならないか確認する
- 図面を住宅会社や電気工事の担当者に見せて相談する
図面だけでわかりにくい場合は、実際のテーブルの大きさを床にテープなどで再現してみる方法もあります。
家具の大きさまで考えて位置を決めると、入居後のずれを減らせます。
ポップアップ型と収納型の違いを知って選ぶ
住宅用の床コンセントには、主にポップアップ型と収納型があります。
違いを簡単にまとめると、次のとおりです。
| ポップアップ型 | 収納型 | |
|---|---|---|
| 使わないとき | 差込口を床下に収納する | ふたを閉じる |
| 使用中 | 差込口が床から立ち上がる | プラグを本体の中に収納する |
| 床からの出っ張り | 約4cmの製品がある | コード出口だけ約2cm弱の製品がある |
| プラグの使いやすさ | 大きなプラグも比較的使いやすい | 大きなプラグやACアダプタが使えない場合がある |
| 抜き差し | 比較的しやすい | ふたを開けて本体の中で差し込む |
製品によってサイズや仕様は異なります。
どちらを選ぶか迷ったら、使い方から考えてみてください。
頻繁にプラグを抜き差しする場合や、大きなACアダプタを使いたい場合は、ポップアップ型のほうが選びやすいでしょう。
一方、プラグを差したまま使うことが多く、使用中も床の出っ張りをできるだけ小さくしたい場合は、収納型が候補になります。
ただし、収納型を選ぶ場合は、使う予定のプラグが本体の中に入るかを必ず確認してください。
小さな子どもがいる場合は、安全扉付きの製品があるかもあわせて確認しましょう。
床コンセントを付けないときの代わりの方法
床コンセントを付けない場合でも、コンセントの位置を工夫すれば困らないケースは多くあります。
床コンセントをやめる前に、次の2つの方法を検討してみてください。
テーブルやソファの近くの壁にコンセントを増やしておく
まず考えたいのは、使う場所に近い壁へコンセントを増やす方法です。
たとえばダイニングなら、テーブルに近い壁へコンセントを付けることで、ホットプレートなどを使いやすくできます。
ソファでパソコンやスマートフォンを使うなら、ソファの近くにコンセントを付けておく方法もあります。
ただし、大切なのは数だけではありません。
新築の打ち合わせでは、
- ダイニングテーブル
- ソファ
- テレビ
- ベッド
- 掃除機
- 季節家電
などの位置を図面に書き込み、実際にコードを差しやすい場所へコンセントを配置しましょう。
家具を将来動かす可能性がある場合は、部屋の一か所にまとめるのではなく、複数の壁へ分けておく方法もあります。
入居後に壁コンセントを増やす場合も電気工事が必要です。新築なら、できるだけ配線打ち合わせの段階で必要な位置を決めておきましょう。
延長コードを使うなら通り道を横切らないようにする
床コンセントを付けず、必要なときだけ延長コードを使う方法もあります。
ただし、延長コードを人の通り道に伸ばすのは避けてください。
コードにつまずくだけでなく、椅子や机の脚で何度も踏むと、コードが傷み、発熱や発火につながることがあります。
使う場合は、
- 人の通り道を横切らせない
- 家具の下で強く踏まない
- プラグや差込口にほこりをためない
- 使わないときは片付ける
といった点を意識しましょう。
ダイニングでホットプレートを使うときだけ延長コードを出すなど、使用頻度が低い場合は、床コンセントを設置するより使いやすい場合もあります。
まとめ
床コンセントには、主に次の5つのデメリットがあります。
- 家具を動かすと使いにくい場所に残る
- 使用中はつまずきやすい
- ほこりや水分に気を使う
- 使えるプラグが限られる製品がある
- 費用がかかり、あとから位置を変えにくい
そのため、床コンセントは「便利そうだから付ける」のではなく、「どこで何を使うのか」を決めてから判断することが大切です。
まずは家具の配置図を見ながら、壁から離れた場所で使う家電があるか確認してください。
近くの壁にコンセントを増やせば足りるなら、床コンセントを付けない方法もあります。
床コンセントが必要なら、次にテーブルやソファの位置、椅子を引く範囲、人が歩く場所、使う家電のプラグまで確認して、設置位置と種類を決めましょう。
入居後に後付けする場合は、床の種類、床下の配線、床暖房の位置を工事会社に確認してから、施工できるか相談してください。

