新築やトイレのリフォームでは、「トイレの中に手洗いは必要?」と迷うことがあります。手洗いがない建売住宅を検討していて、住んでから困らないか気になる方もいるでしょう。
トイレに手洗いがなくても、すぐ近くに洗面所があれば、それほど不便を感じないことがあります。一方で、洗面所が遠い、来客が多い、朝に洗面所が混みやすい、2階に手を洗う場所がない場合は注意が必要です。
この記事では、トイレを手洗いなしにして後悔しやすい4つの場面と、手洗いなしでも困りにくい家の条件を紹介します。手洗いを付ける場合の選び方も確認して、自宅に合う方法を考えてみましょう。
トイレの手洗いに関するよくある質問
手洗いなしのトイレに、あとから手洗いを付けられますか?
あとから付けられる場合はあります。ただし、どの家でも簡単に付けられるわけではありません。
独立した手洗い器を付けるには、手洗い器を置く場所と、給水・排水の配管が必要です。
便器の給排水を利用できる専用の手洗いもありますが、対応する便器と組み合わせて使う商品があります。便器の交換が必要になることもあります。また、手洗いのないタンクを手洗い付きに変えられる商品もありますが、部品やタンクの交換が必要になる場合があります。
あとから付けたい場合は、まず現在使っているトイレの品番を確認しましょう。そのうえで、施工会社や販売店に、
- 手洗いを追加できるか
- 便器の交換が必要か
- 配管工事が必要か
- どのくらいのスペースが必要か
を確認すると、工事の内容を判断しやすくなります。
トイレに手指消毒剤を置けば手洗いの代わりになりますか?
手指消毒剤だけでは、十分ではない場合があります。
消費者庁は、ノロウイルスにはアルコール消毒があまり効かず、手や指についたウイルスは洗い流すことが大切だと案内しています。また、トイレのあとなどに手を洗うよう呼びかけています。
そのため、トイレに手指消毒剤を置く場合も、それだけで済ませるのではなく、洗面所などで石けんと流水を使って手を洗うことを基本にしましょう。
トイレを手洗いなしにして後悔しやすい4つの場面
トイレに手洗いがないと、トイレを出てから別の場所で手を洗うことになります。
次の4つの場面が自宅でも起こりそうか確認してみましょう。
汚れた手のままドアノブや廊下を触って洗面所へ向かう
トイレの中で手を洗えないと、手を洗う前にドアノブや照明のスイッチなどに触れることになります。
トイレから洗面所まで遠ければ、廊下の扉や手すりなど、途中で触れる場所も増えます。
特に気になりやすいのが、トイレ掃除をしたあとや、小さな子どもがトイレを使ったあとです。
手洗いなしを検討している場合は、図面を見ながら「トイレを出てから、手を洗うまでに何に触るか」を確認してみましょう。
来客に洗面所を使ってもらうことになる
トイレに手洗いがなければ、来客にも洗面所で手を洗ってもらうことになります。
洗面所と脱衣所が同じ場合は、洗濯物やタオル、化粧品など、家族が普段使っている物が見えることもあります。
来客が多い家庭では、そのたびに洗面所を片付けることを負担に感じるかもしれません。
手洗いなしにする場合は、「来客を洗面所まで案内しても気にならないか」も考えておきましょう。
朝の忙しい時間に洗面所が混み合う
朝は、歯みがきや洗顔、身支度などで洗面所を使う時間が重なりやすくなります。
そこにトイレ後の手洗いも加わるため、家族の人数が多いと混雑することがあります。
たとえば、子どもの登校時間と大人の出勤時間が近い家庭では、洗面所を使う時間が集中しやすいでしょう。
朝の様子を思い浮かべて、家族が同じ時間に洗面所を使うことが多いか確認してみてください。
2階のトイレから1階の洗面所まで階段を往復する
2階にトイレがあっても、近くに洗面台がない家があります。
その場合、トイレを使うたびに1階まで下りて手を洗うことになります。
昼間は気にならなくても、夜中や寝る前には階段の上り下りを負担に感じるかもしれません。
2階のトイレを手洗いなしにする場合は、「同じ階のどこで手を洗うのか」を先に決めておくことが大切です。
2階のトイレについては、以下の記事もご確認ください。
手洗いなしでも後悔しにくいのはどんな家?
トイレを出てすぐに洗面所へ行ける家なら、手洗いなしでも困りにくいでしょう。
特に、次の条件に当てはまるか確認してみてください。
- トイレを出てすぐ洗面所へ行ける
- トイレと同じ階に洗面所や洗面台がある
- 来客に洗面所を使ってもらっても気にならない
- 朝に家族が洗面所を使う時間が重なりにくい
すべて当てはまるのであれば、トイレの中に手洗いを付けなくても、不便を感じにくい可能性があります。
一方で、当てはまらない項目がある場合は、「その場面を毎日くり返しても困らないか」を考えてみましょう。
手洗いなしには、次のようなメリットもあります。
- 手洗い器がない分、トイレを広く使える
- 手洗い器や蛇口を掃除する必要がない
- 水はねによる汚れが増えにくい
- 手洗い器や配管にかかる費用を抑えやすい
以前はトイレに手洗いのない住宅に住んでいました。トイレを出たあとに洗面所で手を洗っていましたが、手洗いがないことで特に不便を感じたことはありませんでした。
ただし、これは1つの家庭の例です。大切なのは、自宅の間取りと家族の使い方に合っているかどうかです。
手洗いを付けるならタンク上の手洗いと独立した手洗い器のどちらが合う?
トイレに手洗いを付ける場合は、大きく分けると「タンク上の手洗い」と「独立した手洗い器」があります。
違いを整理すると、次のようになります。
| 比べること | タンク上の手洗い | 独立した手洗い器 |
|---|---|---|
| 必要な場所 | 手洗い器を置く場所は不要 | 手洗い器を置く場所が必要 |
| 配管 | 別に用意しなくてよい | 給水・排水の配管が必要 |
| 水の出し方 | 便器を流したあとに水が出る | 蛇口から水を出す |
| 石けん | 使用を控えるよう案内されている商品がある | 基本的に使用できる |
| 掃除 | タンク上の手洗い部分 | ボウル、蛇口、水はねする周辺 |
| タンクレストイレ | 付けられない | 組み合わせられる |
どちらがよいかは、トイレの広さや使い方によって変わります。
「場所を広く使いたいのか」「石けんで洗いたいのか」から考えると選びやすくなります。
トイレを広く使いたいならタンク上の手洗い
トイレが狭い場合や、できるだけ広く使いたい場合は、タンク上の手洗いが選択肢になります。
便器のタンクに手洗いが付いているため、別の手洗い器を置く必要がありません。
ただし、便器を流したあと、タンクに水をためる間だけ水が出る仕組みです。蛇口のように、好きなタイミングで水を出せるわけではありません。
また、便器の奥まで手を伸ばして洗うため、使いにくく感じる人もいます。
タンク上の手洗いを検討するときは、ショールームなどで実際に手を伸ばしてみると、使いやすさを確認できます。
石けんで手を洗いたいなら独立した手洗い器
石けんを使って手を洗いたい場合は、独立した手洗い器を検討しましょう。
たとえば、TOTOとLIXILは、手洗いの水がタンクに入るタイプについて、石けんの使用を控えるよう案内しています。石けんの成分によって、タンク内部の部品に不具合が起こることがあるためです。
製品によって仕組みが異なるため、タンク上の手洗いで石けんを使いたい場合は、必ずメーカーの説明を確認しましょう。
独立した手洗い器なら、蛇口から必要なときに水を出せます。来客にも使ってもらいやすいでしょう。
ただし、
- 手洗い器を置く場所が必要
- 給水・排水の配管が必要
- ボウルや蛇口の掃除が増える
- 水はねする場所の手入れが必要
といった点もあります。
図面を見るときは、手洗い器を付けても通路が狭くならないか確認しておきましょう。
タンクレストイレにするなら、手を洗う場所を先に決める
タンクレストイレにはタンクがないため、タンク上の手洗いは付けられません。
そのため、タンクレストイレを選ぶ場合は、
- トイレの中に独立した手洗い器を付ける
- トイレの近くに洗面台を設ける
- 近くにある洗面所を使う
など、手を洗う場所を先に決めておきましょう。
独立した手洗い器を付ける場合は、給排水の配管も必要です。新築であれば、間取りを決める段階で施工会社に伝えておくと計画しやすくなります。
タンクレストイレについては、以下の記事もご確認ください。
まとめ
トイレを手洗いなしにして後悔するかどうかは、手洗いの有無だけでは決まりません。
まずは間取り図を見ながら、次の4つを確認してみましょう。
- トイレから洗面所までどのくらい離れているか
- トイレと同じ階に手を洗う場所があるか
- 来客に洗面所を使ってもらっても問題ないか
- 朝に洗面所が混みそうか
これらに問題がなければ、手洗いなしでも不便を感じにくいでしょう。
手洗いを付ける場合は、トイレを広く使いたいならタンク上の手洗い、石けんを使いたいなら独立した手洗い器を検討できます。
特に新築では、あとから手洗いを追加すると配管工事や便器の交換が必要になることがあります。
迷っている場合は、間取りを決める前に「トイレを使ったあと、どこで手を洗うのか」を家族で確認し、施工会社にも相談しておきましょう。

