新しい家に合わせて食器棚を選ぶとき、「結局、どんな食器棚が使いやすいのだろう」と迷う方は多いでしょう。
結論からいうと、本当に使いやすい食器棚は一つではありません。キッチンの間取りや収納の量によって、合う形が変わるからです。
たとえば、リビングからキッチンが見えるなら、目立ちにくい高さや扉を選ぶ方法があります。キッチンの後ろが狭いなら、奥行きの浅い食器棚が使いやすくなります。
さらに、間取りに関係なく、
- 上の段まで手が届くか
- 奥の食器を取り出しやすいか
- 家電を置く場所やコンセントが足りるか
- 汚れを拭き取りやすいか
も確認しておきたいポイントです。
この記事では、まず間取りに合う食器棚を考え、そのあと使いやすさを確認し、最後に購入前に測る場所を整理します。
本当に使いやすい食器棚のよくある質問
今使っている食器棚を新しい家でも使えますか?
新しい家の置き場所に収まり、搬入できるのであれば使えます。
まず確認したいのは、食器棚を置く場所の幅・高さ・奥行きです。窓や梁、コンセントに当たらないかも確認しましょう。
また、食器棚そのものが置けても、玄関や廊下、階段を通れなければ運び込めません。
今の食器棚をそのまま使いたい方は、
- 新居の置き場所を測る
- 食器棚本体を測る
- 玄関や廊下などの搬入経路を確認する
の順に確認してください。
詳しくは、この記事の「食器棚を買う前に確認すること」でも説明します。
ゴミ箱を入れられる食器棚は使いやすいですか?
キッチンにゴミ箱を置く場所がない場合は、食器棚の下にゴミ箱を入れられるタイプが便利です。
ただし、「ゴミ箱が入る」というだけで選ぶと、使いにくくなることがあります。
購入前に、
- ゴミ箱の幅・高さ・奥行き
- 必要なゴミ箱の数
- ふたを開けるための高さ
を確認しましょう。
とくに、ふたを上に開けるタイプは、食器棚の天板に当たらないか確認が必要です。
ゴミ箱スペースについては、こちらでも詳しく解説しています。
本当に使いやすい食器棚は、キッチンの間取りによって変わる
食器棚を選ぶときは、最初から商品を探すより、自宅のキッチンにどの形が合うかを考えることが大切です。
まずは、
- リビングからキッチンが見えるか
- キッチンの後ろにどれくらい通路があるか
- パントリーや吊戸棚など、ほかの収納があるか
の3つを確認してみましょう。
リビングからキッチンが見えるなら目立ちにくい高さと扉の食器棚を選ぶ
リビングからキッチンが見える間取りでは、食器棚も目に入りやすくなります。
背の高い食器棚や、中が見えるガラス扉、オープン棚は収納力がありますが、食器や家電が見えやすくなります。
生活感をできるだけ見せたくない場合は、
- キッチンに近い高さの低めのタイプにする
- 中が見えない扉を選ぶ
- キッチンや壁と色をそろえる
といった方法があります。
一方、リビングから見えない独立したキッチンなら、見た目より収納量を優先しやすくなります。
建売住宅では、人の背丈ほどある家具店の食器棚を使っていました。今の注文住宅では、キッチンに近い高さの低い食器棚を使っています。
使いやすさそのものより見た目の違いですが、今の食器棚のほうがリビングから目立ちにくく、キッチンの生活感も少なく感じます。
ただし、低い食器棚は収納量が少なくなります。見た目だけでなく、ほかの収納と合わせて考えることが大切です。
キッチンの後ろの通路が狭いなら奥行きの浅い食器棚を選ぶ
食器棚の奥行きが深くなるほど、大きな家電や多くの物を置きやすくなります。
一方で、食器棚が前に出るため、キッチンとの間の通路は狭くなります。
とくに注意したいのが、引き出しや扉を開けたときです。
普段は問題なく通れても、引き出しを開けると後ろを通れなくなる場合があります。
通路に余裕がない家では、奥行きの浅い食器棚から検討しましょう。
ただし、電子レンジなど奥行きのある家電を置きたい場合は、浅すぎても使えません。
そのため、「通路に必要な広さ」と「置きたい家電の大きさ」の両方を確認して決めることが大切です。
パントリーや吊戸棚があるなら食器棚は食器中心の大きさにする
食器棚にどれくらい収納力が必要かは、ほかの収納によって変わります。
パントリーや吊戸棚があり、食品のストックや使用頻度の低い調理器具を収納できるなら、食器棚を大きくしすぎる必要はありません。
食器と毎日使う家電を中心に入れられる大きさでも足りる可能性があります。
反対に、ほかに収納が少ない場合は、食器だけでなく、
- 食品
- 調理器具
- キッチン家電
まで置くことを考えて、収納量を決めます。
食器棚を選ぶ前に、キッチンにある物を「食器」「食品」「家電」「調理器具」などに分け、それぞれをどこに収納するか決めてみましょう。
必要な食器棚の大きさがわかりやすくなります。
吊戸棚を付けず、カウンターだけにするか迷っている方はこちらも参考にしてください。
どの間取りでも使いやすさを左右する4つのことを確かめる
ここまでで、自宅の間取りに合う食器棚の形や大きさを考えました。
次は、毎日の使いやすさを確認します。
見るポイントは、
- 高さ
- 引き出し
- 家電まわり
- 素材
の4つです。
上の段まで無理なく手が届く高さか確かめる
食器棚は、収納できる量だけでなく、実際に取り出せるかが大切です。
上の段に手が届かなければ、収納場所があっても普段は使わなくなる可能性があります。
店頭で食器棚を見るときは、上の段に手を伸ばして、
- 食器を置けそうか
- 無理なく取り出せそうか
を確認しましょう。
家族も食器を出し入れするなら、その人が使いやすい高さかも確認します。
また、カウンターの高さを選べる商品もあります。電子レンジなどの家電を置いたときに使いやすい高さになるかまで考えて選びましょう。
奥の食器まで出し入れしやすい引き出しがあるか確かめる
毎日使う食器は、奥まで見やすい引き出しに入れると取り出しやすくなります。
棚の場合、奥の食器を取るために、手前の食器を動かさなければならないことがあります。
食器棚を見るときは、
- よく使う食器を入れる場所に引き出しがあるか
- 引き出しが奥まで開くか
- 食器を入れても動かしやすいか
を確認しましょう。
大きな皿や重い食器を入れる場合は、引き出しの耐荷重も確認してください。
引き戸や開き戸にはそれぞれ特徴があるため、収納する物や通路の広さに合わせて選びます。
家電を置くならスライド棚・コンセント・蒸気の逃げ場を確かめる
電子レンジや炊飯器などを食器棚に置く場合は、食器の収納だけでなく家電を安全に使えるかも確認します。
購入前に確認したいのは、次の4つです。
- 家電が入る広さがあるか
- 炊飯器などの蒸気を逃がせるか
- コンセントの数や容量が足りるか
- 棚が家電の重さに耐えられるか
とくに炊飯器など蒸気が出る家電は、上に十分な空間が必要です。
棚の中で使う場合は、スライド棚を前に出して蒸気を逃がせる商品もあります。
ただし、スライド棚にも耐えられる重さが決められています。炊飯器などを置く場合は、家電の重さと棚の耐荷重を確認しましょう。
天板や扉は水はねや油汚れを拭き取りやすい素材を選ぶ
キッチンに置く食器棚には、水や油、手あかなどの汚れがつきます。
そのため、見た目だけでなく手入れのしやすさも確認しましょう。
食器棚には、
- 木材
- メラミン
- 人工大理石
- セラミック
- オレフィンシート
- ハイグロスシート
など、さまざまな素材が使われています。
素材によって、水への強さや汚れの落としやすさが違います。
毎日使う場所だからこそ、店頭やカタログで「どのように掃除するのか」まで確認して選ぶと安心です。
家具の食器棚にするかキッチンとそろえたカップボードにするかを考える
新築の場合は、家具店などで購入する食器棚にするか、キッチンに合わせて取り付けるカップボードにするかも考えます。
大きな違いは、家具として置くか、住宅に取り付けるかです。
家具の食器棚は工事がいらず引っ越しのときも持っていける
家具の食器棚は、基本的に床に置いて使います。
大きなメリットは、
- 大がかりな設置工事がいらない
- 引っ越しのときに持っていきやすい
- 入居後に置き場所を確認してから買える
- カップボードより費用を抑えられる場合がある
ことです。
一方で、置き場所にぴったり合うサイズが見つからないと、横にすき間ができることがあります。
背の高い食器棚では、地震で倒れないよう固定方法も確認しましょう。
カップボードはすき間なく収まりキッチンと見た目がそろう
キッチンメーカーなどのカップボードは、壁や床に取り付けて使うタイプがあります。
キッチンと色や素材をそろえやすく、空間全体をまとめやすいことがメリットです。
また、壁などに固定するため、据え置きの家具とは地震対策の方法も異なります。
一方で、設置工事が必要になるため、家具の食器棚より費用が高くなる場合があります。
住宅に取り付けるため、将来の引っ越しで簡単に持っていくものでもありません。
迷ったら費用と見た目のどちらを優先するかで決める
家具の食器棚とカップボードで迷ったら、まず自分が何を優先したいかを考えてみましょう。
費用を抑えたい、将来動かしたい方は、家具の食器棚が候補になります。
キッチンとの見た目をそろえたい、すき間なく設置したい方は、カップボードが候補になります。
新築の打ち合わせ中なら、家具の食器棚を選ぶ場合でも、置く場所だけは先に決めておきましょう。
置き場所が決まれば、コンセントの位置や通路の広さも図面の段階で確認できます。
食器棚を買う前に確認すること
ここまでで食器棚の種類を絞れたら、購入前に実際の寸法を確認します。
先に測っておけば、お店やインターネットで商品を探すときも候補を絞りやすくなります。
置き場所で測ること
- 食器棚を置ける幅
- 食器棚を置ける奥行き
- 床から天井や梁までの高さ
- 窓の位置
- コンセントの位置
- 食器棚を置いたあとの通路の広さ
幅を測るときは、床と壁の境目にある巾木にも注意してください。
また、食器棚を置いた状態だけでなく、扉や引き出しを開けた状態でも通れるかを考えます。
上置きなどを設置する場合は、商品ごとに必要な天井とのすき間も確認してください。
食器・家電について確認すること
- 今持っている食器の量
- 食器棚に入れたい食品や調理器具
- 置きたい家電の幅・高さ・奥行き
- 家電の重さ
- 家電の消費電力
- 必要なコンセントの数
今の食器棚を使っている方は、中に入っている物を一度確認すると必要な収納量がわかりやすくなります。
「いつか使うかもしれない物」まで入れて食器棚を大きくするのではなく、普段使う物を中心に考えましょう。
搬入と地震対策も確認する
大型の食器棚では、置き場所だけでなく搬入経路も確認します。
- 玄関
- 廊下
- 階段
- 曲がり角
- 室内ドア
を通れるかを確認してください。
商品は梱包した状態で運び込むため、本体より大きくなることがあります。必要な搬入寸法は販売店やメーカーで確認しましょう。
また、背の高い食器棚では、
- 壁に固定できるか
- 転倒防止金具を付けられるか
- 地震で扉や引き出しが開きにくくなる機能があるか
も確認しておくと安心です。
まとめ
本当に使いやすい食器棚は、一つに決まっているわけではありません。
まずは、自宅のキッチンについて、
- リビングからどのくらい見えるか
- キッチンの後ろにどれくらい通路があるか
- パントリーや吊戸棚など、ほかの収納があるか
を確認しましょう。
そこから食器棚の大きさや形を絞ります。
次に、
- 無理なく手が届く高さか
- 奥の食器を取り出しやすいか
- 家電を安全に置けるか
- 掃除しやすい素材か
を確認します。
新築の場合は、家具の食器棚とカップボードのどちらが自分の家に合うかも考えましょう。
最後に、置き場所・食器・家電・搬入経路を実際に測ります。
食器棚を先に探すのではなく、「家に置ける条件」と「入れたい物」を整理してから商品を探すことが、失敗を減らす近道です。
まずは食器棚を置く予定の場所で、幅・高さ・奥行き・通路・コンセントの位置の5つを測るところから始めてみてください。

