新築やトイレのリフォームで、「引き戸にすると後悔しないだろうか」と迷う方もいるでしょう。
引き戸は、出入りしやすく、開けたドアが廊下に出にくいのがメリットです。一方で、音やにおい、掃除のしやすさ、壁の使い方などが気になることがあります。
大切なのは、「引き戸だからよい・悪い」と決めるのではなく、自宅の間取りや暮らし方に合っているかを確認することです。
この記事では、トイレを引き戸にして後悔しやすいポイントと、開き戸との選び方を紹介します。
トイレの引き戸に関するよくある質問
今ある開き戸を壁を壊さずに引き戸へ変えられますか?
壁の外側に扉を取り付ける「アウトセット引き戸」などを使えば、大きく壁を壊さずに変更できる場合があります。
ただし、引き戸は扉を横へ動かすため、その分の壁が必要です。また、今あるドアの枠や壁の状態によっても工事方法は変わります。
リフォームを考えている場合は、まず施工会社に次の2点を確認しましょう。
- 扉を横へ動かせるスペースがあるか
- 壁やドア枠をどこまで工事する必要があるか
現地を見てもらったうえで、取り付けられる引き戸を選ぶのが確実です。
参考:DAIKEN「室内ドアリフォーム! 開き戸、引き戸、吊り戸……ドアの種類とそれぞれのメリット・デメリットを知っておこう」
音やにおいが気になるとき隙間テープを貼ってもよいですか?
音やにおいが気になっても、ドアの隙間をすべて隙間テープでふさぐのは避けましょう。
ドアの下などの隙間が、換気のための空気の通り道になっている場合があるためです。また、テープの厚みによっては、ドアが動きにくくなったり、鍵がかかりにくくなったりすることもあります。
まずは、採用しているドアの説明書を確認し、音やにおいの原因がドアなのか、換気なのかを確認しましょう。
必要であれば、施工会社やメーカーに相談してから対策するのがおすすめです。
トイレの引き戸で後悔につながる5つのポイント
引き戸には便利な点がありますが、間取りや使い方によっては不便に感じることもあります。
特に確認しておきたいのは、次の5つです。
使用中の音やにおいがトイレの外で気になる
トイレがリビングや寝室の近くにある場合、排泄音や水を流す音、においが気になることがあります。
ただし、音やにおいは引き戸だけが原因とは限りません。
音の伝わり方には、
- ドアと枠の隙間
- ドアそのものの遮音性
- トイレとリビング・寝室との距離
などが関係します。
においについても、換気扇の性能や掃除の状態などで変わります。
そのため、音やにおいを重視する場合は、「引き戸か開き戸か」だけではなく、トイレの場所・ドアの仕様・換気方法をまとめて確認することが大切です。
戸を動かす音や閉める音が夜中に響く
引き戸は、横へ動かすときの音や、閉まるときの音が気になる場合があります。
特に寝室の近くにトイレがある家では、夜中に使ったときの音も考えておきましょう。
製品によっては、ドアがゆっくり閉まる機能があります。勢いよく閉まるのを防ぎやすいため、閉めるときの音を小さくできる場合があります。
ただし、トイレの中の音まで聞こえにくくなる機能ではありません。
ショールームなどで実物を確認できる場合は、
- ドアを動かすときの音
- 閉まるときの音
- 開け閉めするときの重さ
を確かめておきましょう。
参考:DAIKEN「室内ドア選びの基礎知識」
戸を引く側の壁に収納やスイッチを配置しにくい
引き戸は、扉を横へ動かす場所が必要です。
そのため、扉が動く壁には、収納やスイッチなどを付けにくくなることがあります。
たとえば、壁の表面を扉が動くタイプでは、壁から出っ張った収納があると扉にぶつかります。壁の中へ扉を収納するタイプでは、その壁にスイッチや設備を付けにくくなる場合があります。
引き戸を選ぶ場合は、ドアだけを先に決めず、
- どちら側へ戸を引くか
- スイッチをどこに付けるか
- 収納をどこに置くか
まで図面で確認しましょう。
レールや戸の裏側の掃除に手間がかかる
引き戸は、レールの溝や扉と壁の間などに、ほこりやごみがたまりやすい場合があります。
ごみがたまると、ドアが動きにくくなることもあるため、定期的な掃除が必要です。
掃除の手間を減らしたい場合は、上から扉を吊るす「上吊り引き戸」も選択肢になります。床にレールがないタイプであれば、床掃除がしやすくなります。
ただし、上吊り引き戸でも、扉の裏側や上のレールなどの手入れは必要です。
採用する前に、どこを掃除する必要があるのか、普段の掃除で手が届くのかを確認しておきましょう。
本体以外の工事や仕様変更で予算が増える
引き戸と開き戸の費用を比べるときは、ドア本体の価格だけを見ないようにしましょう。
新築では、標準の開き戸から引き戸へ変更することで追加料金がかかる場合があります。
リフォームでは、
- 今あるドアや枠の撤去
- 新しいドアの取り付け
- 壁や床の補修
- スイッチなどの移動
が必要になることもあります。
また、ゆっくり閉まる機能や遮音性の高いドアを選べば、その分費用が増えることがあります。
見積もりをもらったら、ドア本体だけでなく、取り付け工事や補修費まで含めた総額で比較しましょう。
トイレは引き戸と開き戸のどちらが合う?
引き戸と開き戸では、ドアが動く方向が違います。
ここでは、一般的な片引き戸と外開き戸を比べます。
| 比べること | 引き戸(片引き戸) | 開き戸(外開き) |
|---|---|---|
| 戸の動き | 左右のどちらかへ動かす | トイレの外側へ開く |
| 必要な空間 | 戸を横へ動かす壁 | 戸を外へ開く場所 |
どちらが合うかは、何を優先したいかによって変わります。
狭い廊下でドアのぶつかりを避けたいなら引き戸
廊下が狭く、開いたドアが通行のじゃまになりそうな場合は、引き戸が使いやすいでしょう。
引き戸は横へ動くため、開けたドアが廊下へ大きく飛び出しません。
たとえば、
- トイレの前の廊下が狭い
- 近くに別の部屋のドアがある
- ドアを開けたときに人とぶつかりそう
といった間取りでは、引き戸を検討する価値があります。
ただし、引き戸には扉を横へ動かすための壁が必要です。
図面を見ながら、「開き戸を開けるスペース」と「引き戸を横へ動かすスペース」のどちらを確保しやすいかを比べてみましょう。
子どもの付き添いや介助のしやすさを重視するなら引き戸
子どもの付き添いや介助を考える場合は、引き戸が使いやすいことがあります。
開き戸のように扉が前後へ動かないため、人を支えながら出入りするときにも動きやすくなります。
ただし、引き戸にすれば必ず使いやすくなるわけではありません。
あわせて、
- ドアを開けたときの通れる幅
- 便器の前や横の広さ
- 段差の有無
も確認しましょう。
将来の介助まで考える場合は、ドアだけでなく、トイレ全体の広さを施工会社に相談すると安心です。
音漏れを抑えたいなら遮音性の高い開き戸
リビングや寝室の近くにトイレがあり、音をできるだけ外へ伝えたくない場合は、遮音性の高い開き戸も候補になります。
ただし、「開き戸なら音が漏れない」というわけではありません。
大切なのは、
- ドア自体の遮音性
- ドアと枠の隙間
- トイレと居室の位置関係
です。
廊下の広さなどから引き戸が必要な場合は、遮音性に配慮した引き戸も比較してみましょう。
音が気になる場合は、施工会社に「リビングまでトイレの音が聞こえにくいドアにしたい」と伝え、具体的な製品を提案してもらうと選びやすくなります。
ドア横の壁を収納やスイッチに使いたいなら開き戸
トイレの横の壁に収納やスイッチを付けたい場合は、開き戸のほうが計画しやすいことがあります。
引き戸は扉を横へ動かすため、その壁を自由に使えない場合があるためです。
ただし、開き戸でも、扉を開ける場所に収納や人の通り道があると使いにくくなります。
図面では、「引き戸にしたときに使えなくなる壁」と「開き戸にしたときに必要になるスペース」を比べてみましょう。
トイレの引き戸を決める前に図面と実物で確認したいこと
引き戸にするか迷っている場合は、カタログだけで決めず、図面と実物の両方を確認するのがおすすめです。
図面ではスペースを確認し、実物ではドアの動きや音を確認します。
図面で、出入りに使える幅と周辺設備の位置を確かめる
まず図面で、ドアを開けたときに実際に通れる幅を確認しましょう。
あわせて、次の点も確認します。
- 戸をどちら側へ引くのか
- 戸を横へ動かす壁が足りているか
- 近くのドアとぶつからないか
- 収納やスイッチと干渉しないか
- 手洗いなどの設備とぶつからないか
図面を見るだけでは分かりにくい場合は、施工会社に「このドアを全開にしたとき、実際に何cm通れますか」と聞いてみましょう。
数字で確認すると、出入りしやすいか判断しやすくなります。
実物で、開閉の重さ・音と掃除のしやすさを確かめる
ショールームなどで確認できる場合は、実際にドアを開け閉めしてみましょう。
確認したいのは、次の点です。
- 軽い力で動かせるか
- 引き手を握りやすいか
- 動かすときの音が気にならないか
- 閉まるときに大きな音がしないか
- レールや扉の裏側を掃除しやすいか
- 床に段差ができないか
特に、毎日何度も使うトイレでは、小さな使いにくさでも積み重なると気になることがあります。
家族でショールームへ行ける場合は、実際に使う人にも開け閉めしてもらうとよいでしょう。
鍵の使いやすさと、外から開けられる仕組みを確認する
トイレの鍵は、普段の使いやすさだけでなく、非常時に外から開けられるかも確認しておきましょう。
製品によっては、コインや細いピンなどを使って外側から開けられるものがあります。
採用前に確認したいのは、次の3点です。
- 中から簡単に鍵をかけられるか
- 使用中かどうか外から分かるか
- 緊急時に外から開ける方法があるか
小さな子どもや高齢者がいる家庭では、特に確認しておきたいポイントです。
非常解錠の方法は製品によって違うため、ドアを取り付けたあとに家族で確認しておきましょう。
まとめ
トイレの引き戸には、出入りしやすい、ドアが廊下へ飛び出しにくいといったメリットがあります。
一方で、
- 音やにおい
- 開閉するときの音
- 壁の使い方
- 掃除のしやすさ
- 工事費用
は、採用前に確認しておきたいポイントです。
迷っている場合は、まず自宅で何を優先するかを決めましょう。
廊下の広さや出入りのしやすさを優先するなら引き戸、音や壁の使いやすさを優先するなら開き戸も含めて比較すると考えると選びやすくなります。
最後に、図面で「ドアが動く範囲・通れる幅・収納やスイッチの位置」を確認し、可能であればショールームで実際のドアも動かしてみてください。
そのうえで施工会社に、「この間取りなら、引き戸と開き戸のどちらが使いやすいですか」と相談し、費用も含めて比較してから決めましょう。