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会社員の副業の帳簿のつけ方|売上・経費・領収書を記録する手順

副業の帳簿のつけ方

会社員として副業をしていると、「売上はいつ記録する?」「レシートはどう保存する?」など、帳簿のつけ方に迷うことがあります。

帳簿とは、簡単にいえば副業で入ったお金と使ったお金を記録するものです。売上や経費を取引ごとに記録し、請求書や領収書などと一緒に管理します。

この記事では、業務委託など給与以外の副業収入がある会社員の方へ、売上・経費・領収書などをどのような順番で記録すればよいのかを解説します。

副業の帳簿についてよくある質問

帳簿はどうやってつければよいですか?

基本は、取引ごとに「日付・相手・内容・金額」を記録します。

たとえば、副業の仕事で3万円の報酬が発生した場合は、仕事をした日や取引先、仕事内容、金額などを記録します。仕事に必要な文房具を1,000円で購入した場合も、購入日や内容、金額を記録します。

さらに、請求書や領収書などを一緒に保存しておけば、あとから取引内容を確認できます。

帳簿は手書き、Excel、会計ソフトなどで作成できます。ただし、所得区分や申告方法によって必要となる帳簿が異なるため、自分に合った方法を選びましょう。

参考:国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について

副業の所得が20万円以下でも帳簿は必要ですか?

「副業が20万円以下なら何も記録しなくてよい」というわけではありません。

20万円という金額は、一定の会社員が所得税の確定申告をする必要があるかを判断するときの基準です。ここでいう20万円は売上ではなく、原則として売上から必要経費を差し引いた「所得」で考えます。

一方、帳簿や書類の保存義務は、副業が事業所得なのか業務に係る雑所得なのかなどによって異なります。そのため、「20万円以下だから帳簿はいらない」と判断しないようにしましょう。

参考:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人

帳簿は毎日つける必要がありますか?

必ずしも、毎日入力しなければならないわけではありません。

取引が少ない副業であれば、領収書や請求書などをその都度保存しておき、週に1回など決めた日にまとめて入力する方法でも管理できます。ただし、何か月分もためると「この支払いは何だったか」が分からなくなりやすくなります。

そのため、資料はその都度保存し、帳簿への入力は週1回、口座やカードとの確認は月1回など、自分が続けやすいルールを決めておくとよいでしょう。

ChatGPTなどのAIを使って帳簿を作ってもよいですか?

AIは、帳簿を作る前の整理に利用できます。

たとえば、取引の日付を同じ形式にそろえたり、重複している取引がないか確認したりする使い方です。

ただし、AIが判断した内容をそのまま正しいものとして帳簿へ記録するのは避けましょう。必ず領収書、請求書、銀行明細などの元資料と照らし合わせて確認します。

また、取引先名や口座情報などを入力するときは、必要な情報だけを使うことも大切です。

レシートや領収書をなくした場合はどうすればよいですか?

まず、カード明細、銀行口座の履歴、ネットショップの購入履歴、請求書など、支払いを確認できる別の資料がないか探します。

再発行を依頼できる場合は、購入先へ問い合わせてもよいでしょう。資料が見つかったら、日付、支払先、内容、金額を確認して記録します。

ただし、自分で作ったメモがあるだけで、必ず経費として認められるわけではありません。できるだけ客観的に取引を確認できる資料を残しておきましょう。

副業の帳簿のつけ方5ステップ

副業の帳簿は、次の順番で進めると整理しやすくなります。

  • 資料を集める
  • 売上を記録する
  • 経費を記録する
  • 資料と結びつける
  • 最後に確認する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 売上や支出が分かる資料を集める

最初に、副業で「入ったお金」と「使ったお金」が分かる資料を集めます。

売上については、請求書、売上明細、取引先からの支払通知などを確認します。経費については、領収書、レシート、カード明細、銀行口座の履歴などを集めましょう。

紙の資料は月ごとに封筒やファイルへまとめておくと管理しやすくなります。メールやWebサイトなどで受け取った電子の請求書・領収書については、必要に応じて電子データのまま保存します。

2. 売上の日付・相手・内容・金額を記録する

次に、副業の売上を記録します。基本的に記録するのは、次のような内容です。

「いつ」「誰から」「何の仕事で」「いくらの売上が発生したか」が後から分かるようにしておきましょう。

注意したいのが、売上を記録する日です。原則として、売上は実際にお金が振り込まれた日ではなく、代金を受け取る権利が確定した日をもとに考えます。

たとえば、12月に仕事が完了し、翌年1月に報酬が振り込まれた場合でも、契約内容などによっては12月の売上になることがあります。

また、報酬から源泉所得税や振込手数料などが差し引かれている場合は、銀行口座への入金額だけを見て売上を決めないようにしましょう。請求書や支払明細で、もとの報酬額を確認します。

参考:国税庁「収入金額とその計算

3. 副業のために使ったお金を経費として記録する

次に、副業に必要だった支出を記録します。たとえば、仕事のために購入した文房具、仕事で使用したサービスの利用料などです。

私生活のためだけに使ったお金は経費にはできません。

一方、自宅のインターネット代など、副業と私生活の両方で使っているものもあります。この場合は、副業で使用した部分を合理的に分けて記録します。

また、カードで購入した場合は「カードを使った日」と「銀行口座から引き落とされた日」が異なります。両方を経費として記録すると二重計上になるため注意してください。

経費の家事按分については、以下の記事をご確認ください。

4. 帳簿と領収書・請求書・明細を対応させる

売上や経費を入力したら、帳簿と資料を結びつけておきます。たとえば、経費の帳簿に「E01」と記載したら、その取引のレシートにも「E01」と付けます。

電子ファイルであれば、「E01_4月12日_文房具.pdf」のように名前を付けておく方法もあります。こうしておけば、あとで帳簿を見たときに「この1,100円は何に使ったのか」をすぐに確認できます。

なお、電子データで受け取った請求書や領収書は、保存が必要な場合、一定のルールに従って電子データのまま保存する必要があります。単にファイル名を付ければすべての保存要件を満たすわけではないため注意しましょう。

参考:国税庁「電子取引関係

5. 銀行口座やカードの履歴を確認して漏れや重複を直す

最後に、帳簿と銀行口座・カードの履歴を見比べます。月に1回程度確認すると、入力漏れや二重入力を見つけやすくなります。

特に確認したいのは、カード利用時と引落時の経費を両方記録していないか、請求時と入金時の売上を両方記録していないか、私生活の支出が経費に入っていないか、という点です。

金額が合わない場合は、銀行口座の数字だけで判断せず、請求書や領収書など元の資料まで戻って確認しましょう。

次の表は、副業の記録方法をイメージするための簡単な例です。

取引日相手・内容売上経費資料番号・補足
4月10日A社 データ入力業務30,000円S01 請求書、入金は5月10日
4月12日B店 副業用の文房具1,100円E01 レシート
4月30日通信費の副業使用分1,000円E02 請求書・按分メモ
4月合計30,000円2,100円

副業の帳簿は何を使ってつける?

帳簿をつける方法には、手書き、Excel、会計ソフトなどがあります。大切なのは、高機能なものを使うことではなく、必要な記録を続けられる方法を選ぶことです。

手書き・Excel・会計ソフトから続けやすい方法を選ぶ

取引が少ない場合は、手書きやExcelでも管理できます。

一方、副業の取引数が増えてきた場合や、複式簿記で帳簿を作成する場合は、会計ソフトを利用すると管理しやすくなります。

方法特徴向いている人注意点
手書き紙に記録する取引が少ない人集計や転記ミスに注意する
Excel表へ入力して集計する自分で表を管理できる人数式や入力漏れを確認する
会計ソフト帳簿作成や集計を補助する取引が多い人自動入力の内容を確認する

青色申告では、正規の簿記による記帳が原則です。ただし、青色申告でも簡易な記帳が認められる場合があります。青色申告特別控除の金額などによって必要な条件も異なるため、申告方法に合わせて必要な帳簿を確認しましょう。

副業の青色申告については、以下の記事をご確認ください。

AIは明細整理や入力の補助に使う

ChatGPTなどのAIは、帳簿そのものを任せるのではなく、入力前の整理に利用すると便利です。たとえば、銀行明細の日付表記をそろえたり、似た取引をまとめたり、重複している可能性がある取引を探したりできます。

ただし、AIが「これは経費です」と判断した内容を、そのまま正しいものとして扱わないようにしましょう。

最終的には、領収書や請求書などの元資料と照らし合わせて、自分で内容を確認してから帳簿へ記録します。

副業の帳簿や領収書はいつまで保存する?

帳簿を作ったあとも、一定期間は帳簿や領収書などを保存する必要があります。

ただし、保存するものや期間は、事業所得なのか雑所得なのか、青色申告なのか白色申告なのかによって異なります。

白色申告・青色申告では保存する帳簿や期間が異なる

事業所得などで白色申告をしている場合、収入や必要経費を記載した法定帳簿は7年間保存します。その他の帳簿や、請求書・領収書などの書類は、基本的に5年間です。

青色申告の場合は、帳簿や決算関係書類を原則7年間保存します。請求書など、書類によっては5年間となるものもあります。

区分主な保存物所得税上の保存期間
白色申告収入や必要経費を記載した法定帳簿7年
白色申告その他の帳簿、請求書、領収書など5年
青色申告帳簿・決算関係書類7年
青色申告現金預金取引等関係書類原則7年※
青色申告請求書・契約書などその他の書類5年

参考:国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告

雑所得でも帳簿や書類の保存が必要になる場合がある

副業が「業務に係る雑所得」となる場合にも、書類の保存が必要になることがあります。前々年のその副業の収入金額が300万円を超える場合は、請求書や領収書など一定の現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。

ここでいう300万円は、利益ではなく収入金額で判断します。

区分条件保存するもの・期間
業務に係る雑所得前々年の収入金額が300万円超現金預金取引等関係書類を5年

前々年の収入が300万円以下であっても、売上や経費をどのように計算したのか確認できるよう、領収書や請求書、取引記録などを整理しておくと安心です。

また、消費税やインボイス制度の対象になる場合は、所得税とは別の保存ルールが関係することがあります。

副業の帳簿をつけていなかった場合はどうする?

これまで帳簿をつけていなかった場合でも、残っている資料から取引を確認して記録できます。一度にすべて終わらせようとせず、1か月ずつ整理していきましょう。

銀行口座・カード・請求書などから過去の取引を確認する

まず、銀行口座、クレジットカードの履歴、請求書、売上明細、領収書などを集めます。集めた資料を日付順や月ごとに分けると、確認しやすくなります。

ただし、銀行口座への入金がすべて売上とは限りません。また、カードで支払ったものがすべて経費になるわけでもありません。必ず「何のためのお金だったのか」を確認しましょう。

1か月ずつ売上と経費を記録する

資料を集めたら、1月、2月、3月というように1か月ずつ記録します。1か月分の売上と経費を入力したら、銀行口座やカード明細と照らし合わせてから次の月へ進みます。

特に、請求した月と入金された月が異なる取引は注意が必要です。同じ売上を2回記録しないよう、請求書などで確認しましょう。

分からない取引は推測せず後から確認する

内容が分からない入出金は、無理に決めないようにします。「確認待ち」として分けておき、領収書やメールを探したり、必要であれば取引先へ確認したりします。

推測だけで帳簿を完成させるよりも、分からない取引を一覧にして、1件ずつ確認する方が正確です。

申告期限が近い場合や、自分では判断できない取引が多い場合は、早めに税理士などの専門家へ相談することも検討しましょう。

まとめ

副業の帳簿は、難しく考える必要はありません。基本は、売上と経費を記録し、その内容を確認できる請求書や領収書などを残しておくことです。

まず資料を集め、売上を記録し、経費を記録します。その後、帳簿と領収書などを対応させ、月に1回程度、銀行口座やカードの履歴と照らし合わせれば整理しやすくなります。

これから帳簿を始める方は、まず手元にある副業の取引を1件選び、「日付・相手・内容・金額」を記録するところから始めてみましょう。

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