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副業の経費はどこまで?判断基準・家事按分・費目別の具体例を解説

副業の経費はどこまで?

副業の経費にできるのは、基本的に副業の収入を得るために必要な支出です。

ただし、家賃やスマホ代のように私生活でも使っているものは、支払った金額のすべてを経費にできるわけではありません。副業で使った分を分け、その金額を説明できるようにしておく必要があります。

また、アルバイトなど給与として受け取る副業と、業務委託やブログ、アフィリエイト、物販など給与以外で収入を得る副業では、経費の考え方が異なります。

この記事では、副業の経費はどこまで認められるのか、判断基準や家事按分の方法、主な支出の具体例を分かりやすく解説します。

副業の経費に関するよくある質問

自宅の家賃・光熱費・スマホ代は何割まで経費にできますか?

「家賃は3割まで」「スマホ代は5割まで」など、法律で決められた一律の割合はありません。

自宅の家賃なら仕事に使っている面積、スマホや通信費なら利用状況などをもとに、副業で使った分を分けます。

たとえば、家賃10万円の自宅のうち20%を副業専用スペースとして使っているのであれば、月2万円を経費として検討する考え方があります。

大切なのは、割合そのものではなく、なぜその割合にしたのかを説明できることです。

副業用のパソコンは買った年に全額を経費にできますか?

副業専用のパソコンであっても、購入金額などによっては、買った年に全額を経費にできません。

一般的には、取得価額が10万円未満のものや使用可能期間が1年未満のものは、使用を始めた年の必要経費にできます。

10万円以上20万円未満であれば、一定の条件のもと、3年間に分けて経費にする一括償却資産を選べる場合があります。それ以外は、原則として耐用年数に応じて減価償却します。

また、一定の青色申告者には、少額減価償却資産を購入した年の必要経費にできる特例があります。2026年4月1日以後に取得等した資産については、対象となる取得価額が40万円未満に引き上げられています。

ただし、青色申告をしていることや年間の合計額などの要件があるため、「40万円未満なら誰でも全額経費にできる」という制度ではありません。

私用にも使うパソコンの場合は、適用する処理を確認したうえで、副業で使った分だけを経費として考えます。

領収書やレシートをなくしても経費にできますか?

領収書やレシートをなくしただけで、必ず経費にできなくなるとは限りません。

クレジットカードの利用明細、銀行の振込記録、請求書、ネット通販の注文履歴などから、次の内容を確認します。

  • いつ支払ったか
  • どこに支払ったか
  • いくら支払ったか
  • 何を購入したか
  • 副業にどのように使ったか

確認できた内容は、帳簿やメモにも残しておきましょう。

ただし、領収書がなくてもよいという意味ではありません。帳簿や請求書、電子取引データなど、法律上保存が必要なものは適切に保存する必要があります。

副業の経費はどこまで?判断するポイント

副業の経費になるか迷ったときは、費目名だけで判断するのではなく、次の3つを確認します。

  1. 副業の収入を得るために必要な支出か
  2. 私用が含まれる場合は副業分を分けられるか
  3. 何に使ったお金なのか説明できるか

順番に見ていきましょう。

副業の収入を得るために必要な支出か

まず確認するのは、その支出が副業のために必要だったかです。

たとえば、Webライターが記事を作成するために利用する有料ソフトや、ネットショップの商品を販売したときに発生する販売手数料は、副業との関係を説明しやすい支出です。

一方、普段の食事代や日用品など、生活のために使ったお金は原則として経費にはできません。

「副業を始めてから払ったお金」というだけではなく、収入を得る仕事に必要だったかを確認しましょう。

参考:国税庁「必要経費の知識

私用にも使っている場合は副業で使った分を分けられるか

家賃やスマホ代など、副業と私生活の両方に使っている支出は、原則として副業で使った分だけを経費として考えます。

たとえば、スマホ代が月8,000円だからといって、副業でも使っていることだけを理由に8,000円すべてを経費にすることはできません。

利用時間や利用内容などから、副業で使った部分を分けます。

このように、仕事と私生活の両方に関係する支出を、合理的な基準で仕事分と私用分に分けることを一般に家事按分といいます。

参考:国税庁「所得税基本通達 第1款 家事関連費等の必要経費不算入等

何に使ったお金なのか説明できるか

経費として記録する支出は、後から内容を確認できるようにしておきましょう。基本的には、次の内容が分かる状態にします。

  • 支払った日
  • 支払先
  • 金額
  • 購入したものやサービス
  • 副業との関係

領収書、請求書、クレジットカードの利用明細などと帳簿を照らし合わせられるようにしておくと確認しやすくなります。

家事按分をしている場合は、「家賃は仕事部屋の面積で20%」「スマホ代は利用状況から30%」など、割合を決めた理由も残しておきましょう。

なお、副業の経費を考える前に、副業の収入を給与として受け取っているかも確認が必要です。

副業の受け取り方主な所得区分経費の考え方最初に確認すること
アルバイト・パートなど給与として受け取る給与所得原則として個別の支出を必要経費として差し引かず、給与所得控除を使って所得を計算する源泉徴収票と給与所得の申告条件
業務委託・ブログ・アフィリエイト・物販など実態により事業所得・雑所得など収入を得るために必要な支出を必要経費として検討する副業との関係、私用分、支出の記録

アルバイトなどの給与所得には、一定の支出について給与所得者の特定支出控除を利用できる制度がありますが、一般的な副業の必要経費とは別の仕組みです。

また、業務委託だから必ず事業所得になるわけでもありません。所得区分は、契約の名称だけでなく実際の働き方や活動状況をもとに判断します。

参考:国税庁「給与所得者と税

参考:国税庁「雑所得

副業の主な支出を経費にできるか一覧で確認する

副業でよくある支出を、経費にできる可能性があるもの、家事按分が必要なもの、原則として経費にできないものに分けると次のようになります。

ただし、同じ支出でも実際の使い方によって扱いは変わります。

支出基本的な考え方判断するときのポイント
パソコン・周辺機器副業専用なら経費を検討高額なものは購入年に全額を経費にできない場合がある
業務用ソフト・サービス副業専用なら経費を検討副業の作業に必要なサービスか確認する
外注費副業のための支出なら経費を検討依頼内容、支払先、金額が分かる資料を残す
販売手数料副業のための支出なら経費を検討売上や取引に対応する手数料か確認する
家賃副業で使う分を検討仕事に使っている面積などで家事按分する
スマホ代副業で使う分を検討利用時間や利用内容などで家事按分する
インターネット代副業で使う分を検討利用状況などで家事按分する
電気代副業で使う分を検討使用時間や使用機器などで家事按分する
車の費用副業で使う分を検討走行距離や利用記録などで家事按分する
日常の飲食費原則として経費にできない仕事上の会議など明確な業務目的があれば個別に判断する
普段着原則として経費にできない業務専用の衣装や制服などは個別に判断する
私的な旅行代原則として経費にできない副業のための出張であることを説明できる場合は個別に判断する
所得税・住民税経費にできない個人にかかる所得税・住民税は必要経費にならない

特に迷いやすいのが、飲食代や衣服代、旅行代です。

「仕事相手と食事をした」「撮影で衣装を使った」「仕事のために遠方へ移動した」など、副業と関係するケースもあります。そのため、費目だけを見て一律に判断するのではなく、何のために支払ったのかを確認することが重要です。

家賃・スマホ代・通信費などは副業で使った分だけ経費にする

家賃やスマホ代、通信費、電気代などは、私生活でも使っている人が多い支出です。

このような支出を家事按分するときに大切なのは、自分の利用実態に合った基準を使うことです。

家賃は面積、通信費は利用状況など実態に合う基準で分ける

家事按分には、法律で決められた一律の割合があるわけではありません。

支出ごとに、次のような基準が考えられます。

支出按分する基準の例
家賃仕事に使う部屋やスペースの面積
スマホ代利用時間、通話明細、利用内容
インターネット代副業で利用する時間や用途
電気代作業時間、使用する機器
車の費用副業で走行した距離、利用日数

たとえば、50㎡の自宅のうち10㎡を副業専用の仕事部屋として使っている場合、面積で考えると20%です。

家賃が月10万円なら、10万円 × 20% = 2万円を副業分として検討する考え方があります。

ただし、「自宅で仕事をしているから家賃の20%」と一律に決めてよいわけではありません。実際にどの程度のスペースを副業に使っているかを確認する必要があります。

スマホ代や通信費も同じです。副業に使った時間や用途などから、自分の利用状況に合う割合を考えます。

決めた割合だけでなく、計算方法や理由も記録しておきましょう。仕事の時間や使い方が大きく変わった場合は、家事按分の割合も見直します。

まとめ

副業の経費は、「この費目なら経費になる」と名前だけで決まるものではありません。

まず、アルバイトなど給与として受け取る副業なのか、業務委託やブログ、物販など給与以外の副業なのかを確認しましょう。

給与以外の副業で支出を経費にできるか迷ったら、次の3つを確認します。

  1. 副業の収入を得るために必要な支出か
  2. 私用にも使っている場合は副業分を分けられるか
  3. 支払った内容と副業との関係を説明できるか

家賃やスマホ代、通信費などを私生活でも使っている場合は、副業で使った分だけを家事按分します。一律の割合を使うのではなく、面積や利用時間など、自分の使い方に合った基準で計算することが大切です。

領収書や利用明細、家事按分の計算方法なども残し、年間の収入と経費を確認できる状態にしておきましょう。

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