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副業の売上管理は何を記録する?案件・請求・入金を整理する方法

副業の売上管理をする女性

副業の売上管理では、入金だけを見るのではなく、仕事・請求・入金を1件ずつつなげて記録することが大切です。

業務委託の副業では、仕事が終わってから請求し、さらに数週間後や翌月に入金されることがあります。案件が増えると、通帳だけでは「まだ請求していない仕事」や「請求したのに入金されていない仕事」が分かりにくくなります。

そこで、仕事を受けた時点から管理表に登録し、請求したとき、入金されたときに同じ記録を更新していきます。

この記事では、業務委託の副業をしている会社員の方に向けて、売上管理表に記録する項目や、請求額と入金額が違う場合の確認方法、確定申告に向けた整理方法を分かりやすく説明します。

副業の売上管理に関するよくある質問

通帳の入金履歴だけで売上を管理できますか?

通帳の入金履歴だけで管理するのはおすすめできません。

通帳で分かるのは、基本的に「いつ、いくら入金されたか」です。一方、売上管理では次のような情報も確認する必要があります。

  • まだ請求していない仕事
  • 請求したが入金されていない仕事
  • 一部だけ入金された仕事
  • 源泉徴収された金額
  • 振込手数料やサービス利用料
  • どの仕事に対する入金なのか

たとえば、同じ取引先から複数の仕事を受けていると、通帳に会社名と金額だけが表示されても、どの請求に対する入金なのか分からないことがあります。

請求書や支払明細と照らし合わせられるように、仕事ごとの管理表を作っておくと確認しやすくなります。

まだ請求していない仕事も売上管理しますか?

まだ請求していない仕事も、管理表には登録しておきます。

仕事を登録しておけば、「仕事は終わっているのに請求していなかった」という請求漏れを見つけやすくなるためです。

ただし、管理表へ登録した金額が、そのまま税務上の売上になるわけではありません。税務上、どの年の収入になるかは、実際に請求した日や入金された日だけでなく、契約内容や仕事が完了した時期などによって判断します。

つまり、「売上管理表への登録=確定申告で売上として計上する」ではありません。

源泉徴収や手数料が引かれた場合は入金額を売上にしますか?

入金額だけを見て売上を記録するのではなく、請求した金額と差し引かれた金額を分けて記録します。

たとえば、原稿料など一部の報酬では、取引先が所得税などを源泉徴収してから振り込むことがあります。また、振込手数料やクラウドソーシングサービスの利用料などが差し引かれる場合もあります。

そのため、

  • 控除前の請求額
  • 源泉徴収額
  • 手数料など
  • 実際の入金額

を分けて確認できるようにします。

何が差し引かれているか分からない場合は、支払明細や契約内容を確認してください。

参考:国税庁「原稿料や講演料等を支払ったとき

12月の仕事が翌年に入金された場合はどちらの年の売上ですか?

原則として、入金された年ではなく、報酬を受け取る権利が確定した年で判断します。

たとえば、12月に仕事が終わり、翌年1月に入金された場合でも、必ず翌年の売上になるわけではありません。反対に、「12月に作業した」という理由だけで、必ずその年の売上になるわけでもありません。

どの年の収入になるかは、

  • 契約内容
  • 納品した時期
  • 検収が終わった時期
  • 取引の内容や慣行

などを確認して判断します。

一定の条件を満たす場合には、実際に入金・支出した時期を基準にする「現金主義」の特例もあります。

参考:国税庁「収入金額とその計算

副業の売上管理では仕事・請求・入金をまとめて管理する

副業の売上管理では、仕事を受けてから入金されるまでを1つの流れとして管理すると分かりやすくなります。

仕事を受けてから入金されるまでを1件ずつ確認できるようにする

まず、仕事ごとに管理番号や仕事名を付けます。

そして、

受注 → 納品 → 請求 → 入金

までを同じ仕事として追えるようにします。

たとえば、次のような情報を結び付けます。

  • 管理番号
  • 取引先
  • 仕事内容
  • 納品日
  • 請求書番号
  • 請求額
  • 入金日
  • 入金額

1つの仕事を1つの記録として管理しておけば、「この入金は何の仕事だったのか」と後から探す手間を減らせます。

未請求や未入金の仕事も見つけやすくなります。

請求した金額と実際の入金額を分けて記録する

請求額と入金額は別の欄に記録します。

請求額が10万円でも、源泉徴収や手数料によって、実際に振り込まれる金額が10万円より少なくなることがあるためです。金額が違ったときに、

  • まだ支払われていない金額があるのか
  • 源泉徴収されているのか
  • 手数料が差し引かれているのか

を確認できる状態にしておきます。

差額がある場合は、金額だけでなく「なぜ差額が出たのか」も記録しておきましょう。

売上管理表と帳簿は目的が違う

売上管理表と確定申告のための帳簿は、役割が異なります。売上管理表は、主に仕事や請求、入金の状況を確認するためのものです。一方、帳簿は、税務上の収入や経費などを記録するために使います。

そのため、管理表を作っただけで、確定申告に必要な記帳や書類保存がすべて終わるとは限りません。

ただし、会計ソフトなどを使い、売上と入金状況をまとめて管理できている場合には、同じ内容の表を何種類も作る必要はありません。自分の副業の所得区分や取引内容に合わせて、必要な帳簿や保存書類を確認しましょう。

参考:国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について

副業の売上管理表に記録する項目

副業の売上管理表では、仕事・請求・入金・現在の状態の4つを記録すると管理しやすくなります。

取引先・仕事内容・納品日など仕事の情報を記録する

仕事を受けたら、その時点で分かっている内容を管理表へ登録します。基本的な項目は次のとおりです。

区分記録する内容確認できること
仕事管理番号、取引先、仕事内容、受注日、報酬予定額、納品日どの仕事を受け、どこまで進んでいるか
請求請求書番号、請求日、請求額、支払期限いくら請求し、いつまでに支払われる予定か
入金入金日、入金額、源泉徴収額、手数料、差額理由請求額と入金額が合っているか
状態未請求、請求済み・未入金、一部入金、入金済み次に確認する仕事はどれか

受注したときの予定額と、実際に請求した金額が違うこともあります。

その場合は上書きして消してしまわず、「予定額」と「確定した請求額」を分けて残すと確認しやすくなります。

請求日・請求額・支払期限を記録する

請求書を発行したら、

  • 請求日
  • 請求書番号
  • 請求額
  • 支払期限

を管理表へ追加します。

特に支払期限は重要です。支払期限を記録しておけば、「まだ支払期限前だから待てばよい入金」と「期限を過ぎているため確認が必要な入金」を分けられます。

請求書のファイル名や保存場所も管理番号とそろえておくと、後から探しやすくなります。

入金日・入金額・差額が出た理由を記録する

入金があったら、請求内容と照らし合わせます。確認するのは主に次の項目です。

  • 振込名義
  • 入金日
  • 入金額
  • 対象の請求書
  • 請求額との差額

請求額と入金額が違う場合は、支払明細などを確認し、「源泉徴収10,000円」「振込手数料330円」のように理由を残しておきます。

理由が分からない差額を、自分の判断だけで「手数料」として処理しないことも大切です。

未請求・請求済み・入金済みが分かるようにする

仕事ごとに現在の状態も記録します。少なくとも、次の4つに分けると管理しやすくなります。

  • 未請求
  • 請求済み・未入金
  • 一部入金
  • 入金済み

入金が1回あっただけで「入金済み」にするのではなく、その請求について支払いがすべて終わったことを確認してから変更します。

請求済み・未入金の仕事については、「支払期限前」と「支払期限超過」も分かるようにすると、確認すべき案件を見つけやすくなります。

仕事を受けてから入金を確認するまでの流れ

売上管理表は、受注・請求・入金のタイミングで少しずつ更新すると負担を減らせます。

1.仕事を受けたら売上管理表に登録する

仕事を受けたら、まず管理表へ登録します。この時点では、

  • 管理番号
  • 取引先
  • 仕事内容
  • 受注日
  • 報酬予定額

など、分かっている内容だけで問題ありません。仕事を先に登録しておくことで、納品後の請求漏れを防ぎやすくなります。

なお、ここで入力した報酬予定額を、そのまま確定申告の売上として集計するわけではありません。税務上の収入とする時期や金額は、契約内容や実際の取引を確認して帳簿へ反映します。

2.納品・請求した内容を記録する

仕事を納品し、請求書を発行したら、管理表を更新します。受注したときの予定額と請求額が違う場合は、確定した請求額が分かるように記録してください。請求書番号も登録しておけば、入金されたときに対象の仕事をすぐに確認できます。

3.入金されたら請求内容と金額を確認する

入金されたら、通帳を見るだけで終わらせず、請求内容と照らし合わせます。確認する順番は次のとおりです。

  1. 振込名義を確認する
  2. 対象の請求書を確認する
  3. 請求額と入金額を比べる
  4. 差額があれば支払明細などを確認する
  5. 支払いが完了していれば「入金済み」にする

一部しか入金されていない場合は「一部入金」のままにし、残りの金額も分かるようにしておきます。

4.未請求や未入金の仕事がないか確認する

定期的に、未請求と未入金の仕事を確認します。未請求の仕事では、「仕事が終わっていて、すでに請求できる状態ではないか」を確認します。未入金の仕事では、まず支払期限を確認してください。

期限を過ぎている場合でも、すぐに取引先の支払い漏れと判断せず、

  • 請求書を送っているか
  • 振込名義が違っていないか
  • 自分が入金を記録し忘れていないか

を確認します。

それでも入金が見つからなければ、管理表や請求書を基に取引先へ確認します。

請求した金額と入金額が違う場合の確認方法

請求額と入金額が違っていても、すぐに「未払い」とは限りません。まず、差額が生まれた理由を確認します。

源泉徴収された金額は実際の入金額と分けて記録する

原稿料など一部の報酬では、取引先が所得税などを源泉徴収してから報酬を振り込むことがあります。この場合は、

  • 控除前の報酬額
  • 源泉徴収額
  • 実際の入金額

を分けて記録します。

源泉徴収された金額を「値引き」や「手数料」として扱わないことが大切です。

また、すべての業務委託報酬が源泉徴収の対象になるわけではありません。報酬の種類や支払明細を確認しましょう。確定申告では、源泉徴収された所得税などを税額の計算に反映します。

振込手数料やサービス利用料が引かれていないか確認する

源泉徴収以外にも、

  • 振込手数料
  • クラウドソーシングなどのサービス利用料

が差し引かれている場合があります。差額があったら、契約書、請求書、支払明細などで理由を確認してください。

差額の理由確認する資料記録する内容
源泉徴収支払明細、請求書請求額、源泉徴収額、入金額
振込手数料契約、請求書、振込明細手数料、負担者、対象の請求書
サービス利用料サービスの支払明細、契約利用料、対象の仕事、入金額

仕事のために直接必要となった費用は必要経費になる場合があります。ただし、差し引かれた金額をすべて自動的に経費として処理するのではなく、内容を確認して判断しましょう。

副業の経費については、以下の記事もご確認ください。

一部入金や複数の仕事をまとめた入金は内訳を残す

請求額の一部だけが支払われた場合は、

  • 入金日
  • 入金額
  • 残額

を記録します。

残額がある間は「入金済み」にはしません。また、同じ取引先から複数の仕事分がまとめて振り込まれることもあります。

その場合は、

請求書A:50,000円
請求書B:30,000円
合計入金:80,000円

のように、1回の入金がどの請求に対応しているのか分かるようにします。同じ入金を複数の仕事へ重複して登録しないように注意してください。

定期的に売上を確認して確定申告に備える

売上管理表は作って終わりではありません。定期的に請求書や通帳と照らし合わせることで、請求漏れや記録漏れを見つけやすくなります。

月に一度は未請求・未入金の仕事を確認する

月に1回程度、未請求と未入金を確認する習慣を付けると管理しやすくなります。月1回という回数は法律で決められた期限ではありません。請求漏れや入金漏れを早めに見つけるための、実務上の目安です。

たとえば毎月末に、

  • 未請求の仕事
  • 支払期限前の未入金
  • 支払期限を過ぎた未入金
  • 一部入金の仕事

を確認します。

毎月少しずつ整理しておけば、確定申告の直前に1年分の取引をまとめて確認する負担を減らせます。

売上管理表と請求書・支払明細・通帳を照らし合わせる

管理表に記録した内容を、

  • 請求書
  • 支払明細
  • 通帳やネットバンクの履歴

と照らし合わせます。

金額が合わなければ、「金額が違う」で終わらせず、どこが違うのか確認しましょう。確認する項目は次のとおりです。

  • 取引先
  • 請求書番号
  • 請求額
  • 入金日
  • 入金額
  • 差額の理由

資料と管理表がつながっていれば、確定申告のために帳簿を確認するときにも、金額の根拠を探しやすくなります。

年末の仕事が翌年に入金された場合は売上の年を確認する

12月から1月にまたがる仕事は、特に注意が必要です。たとえば、12月に仕事が完了 → 1月に入金となっていても、入金された1月の年の売上になるとは限りません。

原則として、収入は「報酬を受け取る権利が確定した時期」で判断します。契約内容や納品・検収の時期などを確認しましょう。

一定の条件を満たして現金主義の特例を使う場合を除き、入金日だけで売上の年を決めるものではありません。また、前年の売上として計上した仕事が翌年に入金された場合、その入金を翌年の売上としてもう一度計上しないよう注意してください。

確認した売上額を帳簿と確定申告の準備に使う

管理表を整理したら、確定した取引を帳簿や確定申告の準備に使います。大切なのは、管理表に入っている金額をすべてそのまま売上として集計しないことです。受注しただけの予定額や、翌年分になる取引などが含まれている可能性があります。

確定申告前には、次の項目を確認しましょう。

  • 請求できるのに未請求になっている仕事はないか
  • 未入金の仕事を確認したか
  • 請求額と入金額の差額を確認したか
  • 年末から翌年にまたがる仕事の収入時期を確認したか
  • 請求書、支払明細、通帳と管理表を照らし合わせたか
  • 同じ売上や入金を二重に記録していないか
  • 帳簿へ記録していない取引がないか

売上管理表は、仕事や入金を整理するためのものです。

副業の所得区分や取引内容によって必要な記帳・書類保存は異なるため、確定申告に必要な帳簿についても別に確認しておきましょう。

副業の確定申告については、以下の記事もご確認ください。

まとめ

副業の売上管理では、仕事を受けた時点で管理表へ登録し、請求と入金のたびに同じ記録を更新すると分かりやすくなります。管理する基本項目は、次の4つです。

  • どの仕事か
  • いくら請求したか
  • いつ、いくら入金されたか
  • 未請求・未入金・入金済みのどの状態か

特に、請求額と入金額は分けて記録してください。源泉徴収や手数料によって、実際の入金額が請求額より少なくなることがあるためです。

また、管理表へ登録した金額や入金された金額が、そのまま確定申告の売上になるとは限りません。年末の取引などは、収入とする時期も確認する必要があります。

まずは現在進んでいる副業の仕事を1件ずつ管理表へ並べ、請求書と通帳の入金履歴を対応させるところから始めましょう。

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