注文住宅のパントリーは、棚を深くすると多くの物を収納できます。しかし、食品を置く棚まで深くすると、奥の物が見えにくくなり、取り出しにくくなることがあります。
食品を置く棚は浅めにし、大きな物を置く場所だけ深くする方法をまず検討してみましょう。
棚の奥行きを決めるときは、置く物の大きさだけでなく、収納ケースや扉、通路の広さも確認することが大切です。
パントリー収納の奥行きに関するよくある質問
可動棚なら入居後に奥行きも変えられますか?
可動棚だからといって、入居後に棚の奥行きまで自由に変えられるとは限りません。
一般的な可動棚は、棚板を取り付ける高さを変えられる仕組みです。棚板の奥行きを変える場合は、棚板と金具が合うか、棚板をどのように支えるか、どのくらいの重さまで載せられるかを確認する必要があります。
使う製品や工事方法によって条件が違うため、設計中に住宅会社へ確認しておきましょう。
収納ケースは家が完成してから選んでもよいですか?
収納ケースは、家が完成してから選んでも問題ありません。
完成後であれば、実際に使える棚の幅・高さ・奥行きを測ってからケースを選べます。
一方、使いたい収納ケースがすでに決まっている場合は、設計中にサイズを確認しておくと安心です。取っ手が付いている場合は、取っ手を含めた外側のサイズを確認してください。
ケースが棚にぎりぎり収まるサイズだと、手をかけにくくなることもあります。少し余裕を持たせることも大切です。
パントリー収納は奥行きが深いほど使いやすいとは限らない
パントリーは、たくさん入ることだけでなく、毎日使いやすいことも大切です。
奥行きを深くすれば収納量は増えるが奥の物が取り出しにくくなる
奥行きが深い棚は、多くの物を収納できます。
しかし、物を手前と奥に並べると、奥に何があるのか見えにくくなります。奥の食品を取るたびに手前の物を動かすようでは、使いやすい収納とはいえません。
同じ食品を前後に並べると、奥にある在庫を忘れて、同じ物を買ってしまうこともあります。
棚の奥まで見渡せるか、必要な物をすぐ取り出せるかという視点で奥行きを考えましょう。
スペースが限られていても奥行きだけで収納量を増やさない
パントリーが狭い場合でも、棚を深くするだけで収納量を増やすのはおすすめできません。
まずは、どのような食品や日用品を、どのくらい置きたいのかを整理します。そのうえで、棚の幅や高さも含めて考えましょう。
よく使う物は、見やすく手が届きやすい場所に置きます。あまり使わない物とは、置く場所を分けると管理しやすくなります。
浅い棚を基本にして大きな物を置く場所だけ深くする
食品などの小さな物を置く棚は浅めにし、調理家電や大きな箱を置く部分だけ深くする方法があります。
すべての棚を同じ奥行きにする必要はありません。
何をどこに置くのかを先に決めてから、それぞれに合った棚の奥行きを考えると、使いやすいパントリーになります。
パントリー収納の奥行きは入れる物の大きさから決める
棚の奥行きは、収納する物を先に考えてから決めましょう。棚に入るかどうかだけでなく、手を入れて取り出せるかも確認します。
食品中心なら30cm前後の浅い棚を目安にする
食品を中心に置く棚は、30cm前後から考えると、奥まで見やすくなります。
小さな食品が中心であれば、さらに浅い棚でも使える場合があります。
ただし、30cmはすべての家庭に合う決まりではありません。置く物によって必要な奥行きは変わります。
缶詰、乾物、調味料など、よく収納する物を実際に並べる向きまで考えてみましょう。
棚の幅や段の高さも一緒に考えると、食品を無理に重ねずに収納できます。
参考:セキスイハイム「パントリーの特徴と検討ポイント/空間別イメージ写真集」
収納ケースを使うならケースの実寸から必要な奥行きを決める
収納ケースを使う場合は、商品の容量ではなく、ケース全体のサイズを確認します。
取っ手が付いている場合は、取っ手も含めて測ってください。
棚にぴったり収まっても、手をかける場所がなければケースを取り出しにくくなります。
幅や高さも確認し、扉や棚の金具に当たらないかも見ておきましょう。
調理家電や箱買い品は実寸に合わせて深い棚を検討する
調理家電や箱買いした飲料などは、実際の大きさに合わせて深い棚を検討します。
調理家電は、置く向きで本体サイズを測ります。付属品も一緒に保管する場合は、その置き場所も考えておきましょう。
箱買い品は、中に入っている商品の大きさではなく、外箱の大きさを確認します。
なお、調理家電を棚の上で使う場合は、収納できるかだけで決めてはいけません。取扱説明書を確認し、周囲に必要な空間、熱や蒸気、コンセントの位置なども確認してください。
| 収納する物 | 奥行きの考え方 | あわせて確認すること |
|---|---|---|
| 食品 | 30cm前後から考える | 置く向き、棚の幅、段の高さ |
| 収納ケース | 取っ手を含むサイズから考える | 幅・高さ、手をかける余裕 |
| 調理家電 | 保管するときの向きで測る | 付属品、使用する場合の条件 |
| 箱買い品 | 外箱の大きさから考える | 重さ、取り出しやすさ |
置く物を一覧にしておくと、深い棚が必要な場所を決めやすくなります。
パントリー全体の奥行きと棚板の奥行きは分けて考える
「パントリーの奥行き」と「棚板の奥行き」は同じではありません。
特にウォークイン型では、パントリーという部屋の中に棚を付けるため、棚を付けた分だけ人が通れる場所が狭くなります。
図面を見るときは、棚の大きさと、人が動く場所を分けて確認しましょう。
ウォークイン型の場合、入口から奥の壁までの長さと、棚板の奥行きは別の寸法です。
棚を設置したあとに、どのくらいの通路が残るのかを確認する必要があります。
扉付きの壁面収納は棚の前に出し入れできる余白を残す
扉付きのパントリーでは、棚の中だけでなく、棚の前のスペースも確認します。
扉を開けた状態で人が立ち、収納している物を取り出せることが大切です。
特に大きなケースや箱を入れる場合は、棚に収まるだけでは十分ではありません。
図面を見るときは、扉を開けて物を取り出す動きを想像してみましょう。
ウォークイン型は棚を設置したあとの通路幅を確認する
ウォークイン型では、何も置いていない部屋の広さではなく、棚を付けたあとの通路を確認します。
棚が深くなるほど、人が通れる場所は狭くなります。
食品や箱を持って中に入り、向きを変えたり、物を取り出したりできるかを考えてください。
必要な通路の広さは、棚や扉の位置、収納する物、使う人によって変わります。決まった数字だけで判断せず、実際の使い方から考えることが大切です。
L字・コの字型は角の収納まで取り出しやすいか確認する
L字型やコの字型の棚では、角の部分が使いにくくなることがあります。
角の奥に物を置くと、手前のケースが邪魔になり、取り出しにくくなるためです。
隣の物を動かさなくても取り出せるか、手が届くかを確認しましょう。
角の部分だけ棚を浅くするなど、棚の形や奥行きを調整する方法もあります。
奥行きが深いパントリー収納は取り出し方まで計画する
深い棚を作る場合は、「どこに置くか」だけでなく「どうやって取り出すか」まで考えておきましょう。
ケースや引き出しを手前へ出せるスペースを確保する
ケースや引き出しを使う場合は、手前に十分なスペースが必要です。
棚にケースが収まっていても、引き出した先に壁や扉、向かい側の棚があると、最後まで引き出せないことがあります。
図面を見るときは、ケースを手前まで引いた状態を考えてみましょう。
高い位置の棚は奥の物まで見える深さにする
高い位置の棚は、奥行きが深すぎると、何が置いてあるのか見えにくくなります。
上の棚だからといって、深くする必要はありません。
浅めの棚にして軽い物を置いたり、あまり使わない物だけを置いたりする方法もあります。
踏み台を使わないと届かない場所には、重い物や毎日使う物を置かないようにしましょう。
重い物や大きな物は下段に置いて取り出しやすくする
飲料や大きな調理家電などの重い物は、下の段に置くと持ち上げる負担を減らせます。
ただし、下段でも棚の奥深くまで入れると、引き出すのが大変になります。
重い物を置く場合は、棚板がその重さに耐えられるかも確認してください。
キャスター付きの収納を使う方法もあります。使う場合は、収納全体の大きさだけでなく、床の段差や動かしやすさも確認しましょう。
図面を確定する前にパントリー収納の寸法を実寸で確認する
図面を決める前に、パントリーへ収納したい物の大きさを実際に測ってみましょう。
住宅会社から示された棚の寸法についても、壁や扉などが完成したあとに実際に使える広さを確認します。
図面だけでは広さがわかりにくい場合は、自宅の床にテープなどで棚や通路の大きさを作ってみる方法もあります。
実際に箱などを持って動いてみると、必要な広さをイメージしやすくなります。
| 分類 | 確認すること |
|---|---|
| 収納する物 | 食品・日用品・調理家電の種類と量 |
| 収納する物 | 箱買いする物の大きさ |
| 収納ケース | ケース全体の幅・高さ・奥行き |
| 棚 | 棚板の奥行き・幅・高さ |
| 棚 | 可動棚で高さを変えられる範囲 |
| 完成後の寸法 | 実際に物を置ける幅・高さ・奥行き |
| 出し入れ | 扉やケースを開けるスペース |
| 通路 | 棚を付けたあとに残る広さ |
| 棚の強さ | 重い物を置けるか |
寸法がまだ決まっていない場所は図面上で確認し、収納する物に合っているかを住宅会社と確認しましょう。
棚の数字だけを見るのではなく、扉を開ける、ケースを引く、箱を持って歩くといった実際の動きまで考えることが、使いやすいパントリーにつながります。
まとめ
パントリーの棚は、深ければ使いやすいとは限りません。
食品など小さな物を置く棚は浅めにし、調理家電や箱買い品など、大きな物を置く場所だけ必要な奥行きを確保すると使いやすくなります。
また、棚板だけでなく、扉を開ける場所や人が通るスペースも必要です。
まずはパントリーに置きたい物を整理し、大きさを測ってから棚の寸法を決めましょう。

