「青い空の下、緑の芝生が広がる庭で、子どもたちが元気に走り回る」そんな素敵なイメージに憧れて、マイホームの庭に天然芝を導入する方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ天然芝を敷いてみると「想像以上に手入れが大変で後悔している」という声も耳にすることがあります。
せっかくの夢のマイホームなのに、芝生の管理に追われてストレスを感じてしまうのは避けたいですよね。
実際、天然芝は、定期的な芝刈りや水やり、雑草抜きなど、手間暇がかかるものです。特に夏場は芝の成長が早く、こまめなケアが必要になります。
また、害虫や病気の発生にも気を配らなければならず、美しい緑を保つのは簡単ではありません。インターネット上では「天然芝は後悔する」「芝生はやめたほうがいい」といった声が多数見られます。
一体なぜ、天然芝は後悔すると言われるのでしょうか?
その理由としては、芝生の手入れの大変さ、日当たりや水はけといった環境の問題などが考えられます。
この記事では、天然芝で後悔すると言われる理由を具体的に解説します。芝生の手入れ方法や、芝生をやめたい場合の費用、後悔しないためのポイントなどについても分かる内容です。
この記事を読めば、天然芝のメリット・デメリットを理解し、本当に自分のライフスタイルに合っているのか、判断できるようになるでしょう。
天然芝は後悔する?芝生はやめたほうがいいと言われる理由
庭に緑を取り入れたいと考えたとき、天然芝は魅力的な選択肢の一つです。しかし、実際に導入してみると、思わぬ手間やコストがかかることがあります。
ここでは、天然芝を選ぶ際に考慮すべきポイントを詳しく見ていきましょう。
芝生の手入れが大変になるから
天然芝は生き物であり、季節ごとに異なる手入れが必要です。春から夏にかけては、芝刈りや水やり、肥料の散布が欠かせません。
特に、芝が成長する時期には、週に一度の芝刈りが求められることもあります。
これらの作業は時間と労力を要し、忙しい日常の中で負担に感じることがあります。
例えば、夏の暑い時期に芝刈りを行うと、汗だくになりながらの作業となり、体力的にも厳しいと感じる方も多いでしょう。さらに、雑草の除去や病害虫の対策も必要で、これらを怠ると芝生の美しさが損なわれてしまいます。
家庭用プールの掃除が大変になるから
庭でプールを楽しむ際、天然芝の上に設置すると、プールの水が芝生に染み込んでしまうことがあります。これにより、芝生が枯れてしまうリスクが高まります。
また、プール遊びの後、足元に付着した泥や芝生の破片がプール内に入り込み、掃除が一層面倒になります。
プール遊びの後にプール内を清掃する際、泥や芝生の破片が大量に浮かび上がり、掃除の手間が増えると感じる方も多いです。これらの問題を避けるためには、プールを使用する際に芝生を保護する対策が必要となります。
日当たりが悪いとうまく成長しないから
天然芝は日光を好む植物であり、日当たりが悪い場所ではうまく成長しません。特に、庭の一部が建物の影になっている場合、芝生の色が薄くなり、成長が遅れることがあります。
例えば、家の北側や周囲に高い建物がある場合、日陰ができてしまい、芝生が健康的に育たないことがあります。これを防ぐためには、日当たりの良い場所を選んで芝生を植えることが重要です。
ランニングコストがかかるから
天然芝の維持には、初期費用だけでなく、定期的なランニングコストもかかります。肥料や除草剤、病害虫対策の薬剤など、消耗品は意外と高額になることがあります。
さらに、芝刈り機やその他の道具のメンテナンス費用も考慮する必要があります。
例えば、肥料や除草剤を購入する際、まとめ買いをしても数千円から数万円の費用がかかることがあります。
年間を通じて計算すると、意外と高額になるでしょう。
芝刈り機の収納スペースが必要になるから
芝刈り機やその他の手入れ道具は、一定の収納スペースを必要とします。特に、大型の芝刈り機を使用する場合、車庫や物置などのスペースが必要となり、これらの場所を確保するための工夫が求められます。
例えば、庭が狭い場合や収納スペースが限られている場合、芝刈り機の置き場所に困ることがあります。
置き場所を解決するためには、収納スペースを確保するための計画が必要です。
天然芝の手入れは大変?定期的に必要なこと
庭に青々とした天然芝が広がっていると、気分も上がりますよね。でも、「維持は難しいのでは?」と心配している人も多いのではないでしょうか。
確かに、芝生の健康を保つためには定期的な手入れが必要です。しかし、基本的なポイントを押さえて習慣化すれば、思ったより手間を感じず楽しめるでしょう。
ここでは、初心者でも分かりやすく天然芝の管理に必要な作業を解説します。
芝刈り
芝刈りは、芝生の健康を保つために欠かせない作業です。定期的に刈り込むことで、新しい芽が育ちやすくなり、見た目も整います。
生育が旺盛な時期は週に1回程度、休眠期には月に1回程度が目安です。刈り過ぎは芝の根を傷める原因になるので、高さは全体の3分の1以下を残すよう意識しましょう。
例えば、夏場の高麗芝は2〜3cmを目安に整えるのがおすすめです。芝刈り機は手動や電動があり、初心者には軽量タイプが扱いやすいです。
また、刈り取った芝はそのまま放置せず、掃き集めて堆肥にすると良い循環になります。
水やり
天然芝の水やりは適度な頻度と量がポイントです。乾燥に弱い芝生は、朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう。特に夏場は、週に2〜3回たっぷりと与えるのが理想です。
ただし、冬場の高麗芝のように休眠期には水やりが不要になる場合もあります。水やりにスプリンクラーを使えば、均一に水を行き渡らせることが可能です。
水はけの悪い場所では、砂を混ぜて土壌改善を行うと過剰な湿気を防げます。
害虫・病気の防除
芝生を健やかに育てるには、害虫や病気の早期発見と対策が重要です。
例えば、夏場に発生しやすいダンゴムシや白絹病は、適切な薬剤の散布や風通しの良い環境づくりで対処できます。病気や害虫を防ぐには、日頃から枯れた葉やサッチ(古い芝の層)を取り除き、清潔な状態を保つことが大切です。
定期的な観察を習慣にし、異変に気づいたら早めに対応しましょう。
草むしり
芝生に侵入する雑草は、見た目を損なうだけでなく、芝の成長を妨げます。小さな雑草は、手で抜き取るのが簡単で、根ごと取り除くのがコツです。
大きな範囲に雑草が生える場合は、除草剤の使用を検討してください。
雑草が増えやすい湿気の多い季節には、防草シートを敷く方法も有効です。特に冬場は雑草の成長が目立ちやすい時期なので、成長期に入る前に根絶しておくと春以降の手入れが楽になります。
機材のメンテナンス
芝刈り機や散水装置などの手入れも忘れてはいけません。刃の切れ味が落ちると、芝を傷つけやすくなるため、シーズンオフには刃を研ぐか交換することを検討しましょう。
スプリンクラーやホースは、目詰まりや破損がないか定期的に確認し、必要に応じて修理してください。
また、冬場のように機材を使わない時期には、乾燥した場所に保管することでサビを防げます。長く使い続けられるよう、適切なメンテナンスを習慣化しましょう。
天然芝を手入れしないとどうなる?
天然芝は、美しい庭や快適な遊び場を提供してくれますが、手入れを怠ると魅力を失ってしまいます。
ここでは、具体的にどのような影響が出るのか見ていきましょう。
見た目が悪くなる
手入れをしない天然芝は、雑草や枯れた部分が目立ち、庭全体が荒れた印象になります。刈り込みをしないと芝が伸び放題になり、密度が低下することで均一性が失われます。
雑草が混ざるとさらに乱雑な印象を与え、美しい緑が台無しに。
例えば、雑草が芝の間から生えると、緑と茶色が混ざり、統一感がなくなります。定期的な芝刈りや草むしりが欠かせません。
芝が弱って枯れてしまう
放置された芝生は、必要な養分や水分を十分に得られなくなり、健康を保てなくなります。特に乾燥や強い日差しの影響で根が浅くなり、成長が止まることがあります。
さらに、肥料を与えないと土壌の栄養が不足し、芝生全体が弱ります。
例えば、猛暑の夏場に適切な水やりをしなければ、部分的に枯れる「パッチ」が広がりやすくなるのです。
病気や害虫の被害を受けやすくなる
手入れを怠ると芝が密集しすぎたり、枯れた部分が残ることで、湿気や病原菌が溜まりやすくなります。その結果、病気や害虫の温床となることがあります。
例えば、「さび病」や「シバツトガ」などは、手入れ不足の芝生で特に発生しやすい病害です。
予防するには、芝刈りやサッチ(枯れた芝層)の除去、適切な肥料や薬剤の使用が必要です。
芝生を張り替えることもある
最悪の場合、放置が続くと芝生全体が枯れ、修復が難しくなります。芝生を一から張り替える必要が生じ、時間や費用が大幅にかかります。
例えば、家庭用の庭で全体を張り替えると、数万円から数十万円のコストがかかることも珍しくありません。
日々の手入れが、大がかりな出費を防ぐ鍵となるのです。
庭の芝生をやめたいときにかかる費用の目安
庭の芝生を撤去するのは手間もコストもかかる作業ですが、労力と費用をしっかりと計算して取り組むと、スムーズに進められます。
ここでは、芝生をやめたいときに必要な費用について、自分で行う場合、業者に依頼する場合、そして撤去後の費用について詳しく解説します。
自分で行うケース
自力で芝生を撤去する場合、道具の準備と時間的な労力が主なポイントです。基本的な道具としてスコップ、鍬(くわ)、剪定ばさみが必要で、それらに約5,000円ほどの初期費用がかかります。
さらに、広い庭では除草シートや除草剤を併用することもありますが、これらを含めてもトータルで1万円から1万5,000円程度で収まることが多いです。
作業自体は体力勝負。特に根がしっかり張った芝生の場合、1㎡の撤去に数時間かかることもあります。
ただし、撤去後の芝生を可燃ゴミとして無料で処理できる自治体が多いので、廃棄費用が抑えられるメリットがあります。
業者に依頼するケース
業者に依頼すると、費用は高くなるものの、手間を省きプロの仕上がりが期待できます。目安として、1㎡あたり1,500円から3,000円が相場で、50㎡の庭では7万5,000円から15万円程度になるでしょう。
この料金には芝生の撤去、廃棄、整地作業が含まれることが多いです。
特に広い面積や根が深く張った芝生には、業者に頼む方が効率的といえます。地域によって料金が異なる場合があるため、複数の業者に見積もりを依頼し比較するのがおすすめです。
芝生を撤去したあとの費用
芝生撤去後に庭をどう活用するかによって、追加費用が変わります。砂利敷きや人工芝を敷く場合は10万円前後、コンクリートやタイル舗装は20万円から50万円程度が目安です。
メンテナンスの手間やコストも異なるため、長期的な視点で計画を立てると良いでしょう。
また、放置すると雑草が繁殖するため、防草シートを敷いておくと維持管理が楽になります。こちらも1㎡あたり数百円で購入可能です。
天然芝に後悔しないためのポイント
庭に天然芝を取り入れることは、心地よい空間を作り出す理想的な選択です。
しかし、選び方や手入れ方法を誤ると後悔につながる可能性も。
ここでは、天然芝に後悔しないためのポイントを紹介します。
天然芝を導入する目的を明確にする
芝生を導入する際にまず考えるべきなのは、どのような目的で導入するかです。見た目の美しさを重視するのか、それとも子どもやペットが遊べる安全なスペースが欲しいのか。
導入目的を明確にすることで、後の手入れや環境に対する不満を減らせます。
例えば、見た目を重視している場合、芝の種類や密度を意識して選ぶことでより美しい庭を作れます。反対に、遊び場としての利用が目的であれば、耐久性のある芝生を選ぶことがポイントになります。
目的や環境にあった芝生にする
目的が決まったら、それに合わせて適切な種類の芝を選ぶことが重要です。寒冷地向けや暖地向けなど、芝の特性によって適応する環境が異なります。
また、庭の日当たりや土壌の質を考慮することも大切です。
例えば、日陰の多い庭には耐陰性の高い芝を選び、日当たりが良ければ日照を好む品種を選ぶことで、より育成しやすくなるでしょう。
芝生の生育に適した環境か確認する
芝生を健康に育てるには、庭の環境が適していることが前提です。排水性の良い土壌、適度な日照量、そして雑草の少ない状態が理想的です。
適していない場合は土壌改良を行ったり、日陰対策を講じる必要があります。
例えば、排水性を改善するために砂を混ぜたり、日陰の部分に敷石を配置して芝を敷かない選択をすることも考えられます。
管理の手間暇を理解する
天然芝は定期的な手入れが必要です。水やり、芝刈り、雑草取りなど、季節や天候に合わせて手入れの内容が変わります。
手入れを楽しみながら行えるか、負担になるかを事前に考えておくことで、導入後のギャップを防げます。
特に広い庭の場合、機械や専用道具の使用が必須となるため、保管場所や購入コストも計画に入れておきましょう。
家族の意見を参考にする
庭は家族全員が共有する空間です。芝生を導入する前に、家族全員の意見を聞くことで不満を減らせます。
例えば、手入れの手間を家族で分担する計画を立てたり、子どもやペットの遊び方に適したデザインを考えることがポイントです。家族全員が満足できる庭作りが、天然芝への満足度を高める鍵です。
まとめ
天然芝を手入れせず放置すると、庭の魅力が損なわれるだけでなく、大きな負担や費用が発生する可能性があります。手入れ不足の芝生は、雑草が増えて見た目が乱れ、美しい庭とは程遠い状態になります。
また、必要な水分や養分が不足することで芝が弱り、最終的には枯れてしまうかもしれません。
さらに、湿気や病原菌が溜まりやすくなり、害虫や病気の被害を受けやすくなるリスクも高まります。最悪の場合、芝生を一から張り替える必要が生じることもあり、これには数万円から数十万円の費用がかかることがあります。
一方、適切な手入れを続けることで、天然芝の美しさと快適さを保つことが可能です。
天然芝を設置する場合は、手間を楽しむ気持ちで、こまめなメンテナンスを心がけましょう。