新しいキッチンのリフォームや家を建てる際に、ビルトインオーブンを取り入れようか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。最新のキッチン設備は魅力的ですが、実際に自分に合っているのか不安に感じることもあります。
ビルトインオーブンは高機能で見た目もすっきりしている反面、導入後に後悔する人も少なくありません。
例えば、初期費用が高額であること、故障時の修理費用が嵩むこと、キッチンのスペースやレイアウトが制限されること、買い替えが容易でないこと、そして日々の掃除に手間がかかることなどが挙げられます。
もしかしたら、あなたはこんな不安を抱えているかもしれません。
「ビルトインオーブンって、本当に便利なの?」「デメリットを理解した上で、導入を検討したい」「せっかく設置するなら、後悔したくない!」
これらのデメリットを事前に知っておくことで、自分のライフスタイルや予算に合った選択がでます。
この記事では、ビルトインオーブンの5つのデメリットだけでなく、寿命や人気な理由についても詳しく解説します。あなたが後悔しないキッチンづくりをするためのヒントに役立ててください。
ビルトインオーブンは後悔する?5つのデメリット
ビルトインオーブンは、キッチンの見た目がすっきりする上、調理効率を上げられる便利な設備ですが、設置後に「想像以上に使いにくかった」と後悔するケースも少なくありません。
ここでは、導入を検討する前に知っておくべき5つのデメリットについて詳しく解説します。
初期費用が高い
ビルトインオーブンの最大の壁は、初期費用の高さです。本体価格はおおよそ8万円からですが、設置工事費用や配管・配線の延長工事などを加えると、総額20万円を超えることも珍しくありません。
特に、海外製の高性能オーブンを選ぶとさらに高額になります。
例えば、一般的な卓上オーブンは数万円程度で済むのに対し、ビルトインオーブンは工事費だけで6万円以上かかることもあり、予算に大きく影響します。
また、設置場所に合わせたリフォームが必要になる場合、追加費用がかさむことも考えられます。
初期費用の高さに対して、「果たしてどれだけ使いこなせるのか」と疑問を抱く人も多いです。そのため、実際の使用頻度をよく考えた上で、費用対効果を検討する必要があります。
故障時の修理費用が高い
ビルトインオーブンは、一般的に10年程度の耐用年数があるとされていますが、それ以前に故障する場合もあります。修理費用は内容によりますが、数万円から数十万円になることがあり、機器全体を買い替えたほうが安く済むケースもあります。
さらに、ビルトインタイプは部品の互換性が少ないため、修理対応が難しい場合も。
特に海外製品を選んだ場合、修理に時間がかかるだけでなく、輸入部品の費用が加算されるため出費が増える可能性があります。オーブンが故障した際、「一部だけ交換できない」という制約があるため、全体の取り替えを覚悟する必要があります。
長期的な維持費を視野に入れて選択することが重要です。
キッチンのスペースや配置が制限される
ビルトインオーブンは、キッチンのキャビネットや収納スペースの一部に組み込む必要があります。そのため、キッチン全体のレイアウトに大きな制約が生まれる可能性があります。
特に狭いキッチンでは、設置によって貴重な収納スペースが削られることも。
例えば、既存のキッチンにオーブンを追加する場合、配置の変更が避けられず、全体的なリフォームが必要になることがあります。また、後で別のモデルに買い替えようとすると、サイズが異なるために新たなリフォームが必要になることも。
限られたスペースを最大限に活用するためには、ビルトインオーブンを導入することで失うものについても十分に考える必要があります。
買い替えが難しい
ビルトインオーブンの最大のネックのひとつは、買い替えの自由度が低いことです。設置スペースのサイズや配線の仕様により、同じメーカーやサイズの製品を選ばなければならない場合が多いです。
例えば、特定のメーカーの製品が廃盤になった場合、規格が合わずに他のモデルが設置できないこともあります。また、新しいオーブンに変更する際、古いモデルとサイズが合わないと、キッチン全体を再度改装しなければならない可能性があります。
このような制約は、長期的な視点で製品を選ぶ際の大きな課題です。
掃除に手間がかかる
ビルトインオーブンは見た目が美しく掃除がしやすいように思われがちですが、実際には内部の汚れを完全に落とすのが難しい場合があります。
特にオーブンの扉周辺や内部のガラス面は汚れが溜まりやすく、手入れを怠ると頑固な汚れになってしまいます。さらに、ビルトインタイプは卓上タイプと違い、丸ごと水洗いできないため、掃除のたびに手間がかかることがあります。
また、内部の高温加熱により汚れが焼き付きやすく、専用の洗浄剤や道具が必要になる場合も。
日々の掃除が苦にならないかどうか、設置前に十分に考える必要があります。
ビルトインオーブンの寿命は?
ビルトインオーブンを検討していると、「どのくらいの期間使えるのか?」という疑問が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。寿命が長ければ安心して使えますが、短いと費用対効果が心配です。
ここでは、ビルトインオーブンの寿命について詳しく解説します。
日々のお手入れ次第で寿命が大きく変わるため、長持ちさせる秘訣もご紹介します。
一般的には10年~15年程度
ビルトインオーブンの寿命は、メーカーや使用状況によって異なりますが、一般的には10年から15年ほどが目安とされています。特に高品質な製品であれば、15年以上使用できる場合もあります。
一方で、頻繁に使う家庭や高温での調理が多い場合、部品の摩耗が早まることもあります。
例えば、ヨーロッパのメーカー「ミーレ」では耐久性が高く15年以上持つとされています。また、国内メーカー製品でも10年以上使える事例が報告されています。
ただし、寿命が近づくと機器内部のヒーターや温度センサーなどの故障が発生しやすくなります。
このような時期には、買い替えも視野に入れるべきです。
頻繁に使用するほど寿命が短くなる
ビルトインオーブンの寿命は、使用頻度にも影響されます。毎日何時間も使用する場合、熱や湿気による劣化が早まり、部品の交換や修理が必要になることがあります。
一方、週に数回程度の使用であれば、寿命が延びるでしょう。
特に、パンやお菓子を頻繁に焼く方は注意が必要です。高温で長時間の使用を繰り返すと、ヒーターやファンに負担がかかります。
例えば、趣味で毎日パンを焼いていた方が、約7年でヒーター交換を余儀なくされた事例もあります。頻度を抑えたり、使用後にオーブンを冷却して湿気を取り除くことで、長持ちさせることが可能です。
メンテナンス次第で寿命が延びる
日々のメンテナンスを丁寧に行うことで、ビルトインオーブンの寿命は延びます。汚れが残ると部品の劣化を早めるため、調理後は扉や内部を乾いた布で拭き取りましょう。
また、専用クリーナーを使用して定期的に掃除することも重要です。さらに、定期的に業者による点検を受けることをおすすめします。
例えば、年に一度のプロの点検で、部品の摩耗や不具合を早期に発見できれば、大きな故障を未然に防げます。これにより、15年以上使用できるかもしれません。
小さな手間を惜しまないことで、ビルトインオーブンを長く愛用することができます。
ビルトインオーブンが人気な理由
ビルトインオーブンは、その機能性やデザイン性から近年注目を集めています。しかし、なぜここまで人気があるのでしょうか。
ここでは、具体的な理由を探りながら、ビルトインオーブンが持つ魅力について詳しく解説します。
キッチン全体がスッキリとスタイリッシュに見える
ビルトインオーブンの最大の魅力のひとつは、キッチンをスッキリとした空間に整えることができる点です。システムキッチンに組み込むことで、調理器具が目立たず洗練された印象を与えます。
卓上オーブンのようにカウンターを占有しないため、スペースの有効活用にもつながります。
また、オーブンが視界の邪魔にならない配置になることで、キッチン全体が開放感ある空間に変わります。
例えば、ミニマルデザインを好む家庭では、オーブンをキッチンキャビネットの中に設置することで、無駄のない整然とした印象を演出することが可能です。
こうした特徴が、デザイン性を重視する人々の間で特に評価されています。
さらに、オーブンとコンロを同じメーカーで揃えることで、統一感のあるインテリアを実現することも人気の要因です。メーカーによっては、専用のビルトインデザインが提供されており、オーダーメイド感覚で選べる楽しさも魅力です。
多彩な機能が搭載されている
ビルトインオーブンは、単に焼くための機械ではありません。最近のモデルでは、電子レンジやスチーム機能を兼ね備えた多機能型が多く登場しています。このような機能の多さが、調理の幅を広げるポイントとなっています。
例えば、スチーム機能付きオーブンでは、食材を蒸し焼きにすることで、ヘルシーな料理が手軽に作れます。
また、調理時間を短縮できる高速加熱機能や、温度調整が細かくできる機能を備えているモデルもあります。これにより、忙しい家庭でも手間をかけずに本格的な料理が楽しめます。
さらに、最近のビルトインオーブンは、省エネ設計も進化しています。少ないエネルギーで効率よく調理ができるため、電気代を気にせずに活用できるのも魅力です。
これらの特徴が、料理好きの方だけでなく、調理にあまり時間をかけたくない方にも支持される理由のひとつです。
焼きムラが少なく本格的な調理ができる
ビルトインオーブンは、卓上タイプに比べて熱の伝わりが均一になる設計が特徴です。このため、焼きムラが少なく、パンやケーキといった焼き菓子もプロ顔負けの仕上がりになるでしょう。
特に二段調理が可能なモデルでは、大量の料理を一度に調理できるため、ホームパーティーなどでも大活躍します。
例えば、大きな七面鳥を丸ごとローストする場合でも、ビルトインオーブンなら十分な容量を確保できます。
このように、大型の調理を余裕でこなせる点が、家庭でのイベントや特別な日の料理にも適している理由です。
さらに、温度管理の精度が高いので、料理初心者でも安心して使うことができます。複雑な調理プロセスを簡略化してくれる機能は、時間に追われる家庭にとって大きな助けとなるでしょう。
ビルトインオーブンで後悔しないためのポイント
ビルトインオーブンは便利でキッチンをスタイリッシュに見せるアイテムですが、後悔を防ぐにはいくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、選び方や準備の際に気をつけるべき点を5つに絞り、分かりやすく解説します。
自分の調理スタイルに合った機能を選ぶ
ビルトインオーブンには、ベーシックなオーブン機能に加え、スチーム機能やオートメニュー機能など多彩なオプションが搭載されています。ただ、全てが必要というわけではありません。
例えば、パン作りが趣味の方なら温度調整が精密にできる機能が重宝しますが、普段は簡単な焼き物や温めをメインに使う方には不要な場合もあります。
自分の調理スタイルを振り返り、優先順位をつけることで、無駄な出費や不要な機能に悩まされる心配が減ります。
調理する量や種類に合わせる
家庭の人数や作る料理の種類によって、オーブンの容量や性能の選択が変わってきます。4人家族の場合、大容量のオーブンで一度に多くの食材を調理する方が効率的です。
一方で、単身者や夫婦2人の家庭では、大型モデルよりもコンパクトで電気代が抑えられるものが適しているかもしれません。
容量が大きいほど設置場所にも影響するので、キッチンのスペースとのバランスも考えましょう。
手入れのしやすさを確認する
オーブン内部の掃除が難しいと、使用頻度が低下する原因になります。選ぶ際には、掃除がしやすい材質や構造をチェックしましょう。
特にスチーム機能付きのオーブンは汚れがこびりつきやすいため、清掃モードや取り外し可能なトレイがあると便利です。
また、オーブン周辺の防熱対策や排気の管理が適切でないと、汚れや煙が蓄積しやすいので、換気設備の確認も欠かせません。
ショールームで確認する
パンフレットやウェブサイトの情報だけで決めると、設置後に「思っていたのと違う」と感じることがあります。実際にショールームで製品を見て、扉の開閉のしやすさや操作パネルの視認性などをチェックすると安心です。
特に、扉が下に開くタイプはキッチンの高さによって使い勝手が大きく変わるため、事前の確認が重要です。
設置予定のスペースを正確に測る
ビルトインオーブンはキッチンにぴったり収まることが前提です。設置場所の幅や奥行き、高さを正確に測り、購入するオーブンがフィットするか確認しましょう。
特に、日本製のシステムキッチンには海外製の大型オーブンが合わない場合もあるため、事前に相談するのがおすすめです。
また、排気スペースが不足すると熱がこもりやすいので、その点にも注意が必要です。
まとめ
ビルトインオーブンは便利でスタイリッシュなキッチンアイテムですが、後悔を防ぐにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。選ぶ際は、自分の調理スタイルに合った機能を優先しましょう。
例えば、パン作りが好きな方は精密な温度調整機能が役立ちますが、日常的に簡単な調理しかしない方には不要かもしれません。また、家族の人数や作る料理の種類に応じて適切な容量を選び、キッチンのスペースともバランスを取ることが大切です。
さらに、掃除のしやすさも重要なポイントです。内部が汚れやすい場合、清掃モードや取り外し可能な部品があると便利です。
購入前にショールームで実際に製品を確認し、操作のしやすさや扉の動きなどもチェックしましょう。
設置スペースの正確な寸法測定も忘れてはいけません。キッチンの状況に適したオーブンを選ぶことで、長く快適に使い続けられます。これらのポイントを事前に検討すれば、満足度の高い選択ができるでしょう。